医系コースの特色

本校「医系コース」の最大の特色は、「医療人としての人格の陶冶」です。4年次に「成績がいいから医学部を目指そう」、「ずっと憧れ続けて きたから医師を目指そう」と医系コースを選択した生徒たちも、医系クラスに所属しさまざまな活動に触れる中で、「自分は医師としての適 性があるのか」と自問自答を繰り返しながら、多くの生徒が「医師になりたいなぁ」から「医師になる」という強い決心に変わっていきます。 医系コースの具体的な活動として、現代の医療に関する知識を増やすために持ち回りで新聞などの医療記事をクラスメイトに紹介する医 療記事紹介、小論文試験の準備の為、週に1回放課後の7・8限に開講される医系小論文講座、夏や冬の長期休暇を利用した医療ボランティ ア活動、医師としてはたらく卒業生や医学生を招いての座談会などを行います。医療ボランティア活動や実際に医師としてはたらく先輩方 から話を直接聞くことは、自分の想像をはるかに超えた医療の現実に触れる機会となり、医師への思いを強くする生徒がほとんどです。

5年生からの取り組み

医系小論文

週に1回放課後7・8限を利用して開講される医学部入試対策の小論文講座です。起承転結など論文作成の方法にとどまらず、現代の医

療課題にまで踏み込み、自らの主張を文章にするトレーニングが繰り返されます。

若手医師・医学生との座談会

医師としてはたらく卒業生や、学生として医学部に在籍する卒業生をお招きして、医師としてはたらくことの現実や大学の医学部のこと、医学生の生活の様子を聞くことができます。自分が医師となってはたらくことや医学部に入学することを想像することで、学習への意欲向上はもちろんのこと、「医師として社会貢献をしたい」という目標に近づこうと日々の自分の行動が引き締まったものになります。

医療ボランティア活動

医師を目指す上で、地域の病院やクリニックの役割を肌で感じ取りたいときっと思うはずです。さまざまな医療機関に自らアポイントメントをとり、長期休暇を利用して医療に関わるボランティアを経験します。活動を通して理想とする医療の提供や理想とする医師像がより明確になることがあります。

カエルの解剖実習

夏期講習の中で5年生の希望者向けに開講する講座です。一人一匹のカエルの解剖実習を通じて生物の体の仕組みを知ることはもちろんのこと、それ以上に生命の尊さと命に携わる覚悟を実感できる講座です。

中村 崇秀

筑波大学 医学群医学類 進学

私は小学生から中学2年生までは総合部にいましたが、中学生になると部活動が始まり、一貫部生と一緒になって活動するようになりました。部活動を通じて、中学3年生での一貫部と総合部の合流前に、一貫部生と仲良くなることができました。高校生になると、受験勉強も意識するようになりました。僕は医学部を目指していたので5年生から医系コースに入りました。周りのみんなも医学部を目指しているので、医学部についての情報や、医学部受験に向けた勉強法などを共有しながら勉強することができました。このような環境で学べたことで、快適にそして全力で受験に取り組むことができたと思います。

MDコースの取り組み

~医療人としての全体観を持つ~ 多岐にわたる命に向き合うためにやるべきことは、単なる大学でやることの模倣や先取りではありません。医療に関係する職業調べを皮切りに、車イス体験・ブラインドウォーク・高齢者や妊婦の疑似体験など他者に対する想像力を育む活動やその延長上にある社会における福祉ノーマライゼーションまで意識を高めます。また、医療者に限らず必要との観点から、脳死判定と臓器移植への心理的倫理的アプローチについて討議したり、心肺蘇生法の実習などもあがってきます。さらに放射線技師の方々による特別授業、 医療現場で働いている先輩や大学で学んでいる先輩との懇親会、大学見学、病院見学などを通じて、医療を志す者としての決意・覚悟を醸成していきます。これらの取り組みは決まったものとして行うのではなく、そのときの仲間の顔ぶれに最適な内容を最適なタイミングで実施していきます。