英国フィールドワーク2025(校長ブログ226)
7月、5年生が英国フィールドワークに行き、多くの得難い経験をしてきました。開智のフィールドワークでは、それぞれの実施学年で実行委員会が組織され、運営を行います。A日程B日程それぞれの実行委員長(田中さん、吉田さん)に話を聞きました。
~~実行委員長になった理由は?~~
今までのいろんな行事の実行委員はやりましたが、幹部になったことがなかったので、これが最後のチャンスかなと思って立候補しました。僕は、総合部のころからフィールドワークが大好きで、実行委員長もやったことがあって、今回もやりたいと思いました。
~~今回のフィールドワークでめざしたこと~~
探究の総仕上げなので、探究活動をしっかりやりたいと思いました。グループリーダー(イギリスのブルネル大学の学生・卒業生がメイン)との交流を成功させることもめざしました。そのために、探究活動や文化交流に関する説明動画を実行委員で作って、事前に見て意識・情報の共有を図りました。探究活動は、これまで続けてきた個人探究の成果をプレゼンするパターンと、「世界」「美」「生命」というテーマの中から一つ選び、立てた仮説を現地で検証した結果をプレゼンするパターンの2つを作りました。また、グループリーダーとは事前にオンラインで交流を行っていたので、現地でもスムーズに交流が進められたと思います。
~~大変だったこと~~
大勢の生徒に指示を出し、それを徹底することがとても難しかったです。その指示の意図を丁寧に説明することを心がけました。24期の先輩から引き継ぎは受けたのですが、いざ自分たちで行事を作っていくということになると、新たに考えなければならないことがたくさんあって、大変でした。予算管理が難しかったです。最初の予算案は金額が膨れ上がってしまって、先生に注意されてしまいました(笑)。また、ブルネル大学の事情で今年は1学期末考査を先に受けてその後にイギリスに行く、というスケジュールになってしまい、事前の準備の時間が足りなかったことも大変でした。英語によるコミュニケーションも、開智生も大学生もそれぞれに個性があり、どこまで伝わっているか不安な面もありました。いろんな計画を立てて実行していくのですが、いろいろアクシデントがあったりして、臨機応変に対応しなければならなくなることもありました。フランスのマクロン大統領の訪英によってスケジュールを大幅に修正せざるを得なくなったことには、困りました。
~~うまくいったこと~~
文化交流やフェアウェルパーティはとても盛り上がりました。グループリーダーに渡す色紙を密かに準備していて、それを渡すときは、しんみりと胸に迫るものがありました。泣いている生徒もいました。事前にフェアウェルパーティのリハーサルを何度もしていたのですが、なかなか時間的にうまくいかず、焦りましたが、当日は時間ぴったりに終わり、よかったです。フィールドワークの班は、クラスとか関係なくランダムに組まれるのですが、あまり話したことのない班員ともうまく連携・団結ができて、成功につながったと思います。
~~国際交流の意義とは~~
日本にいるとなかなか気づかない、外国の文化を直接知れることでしょうか。日本とは違うものの見方・考え方を知って、視野・視点が広がると思います。英語を使わざるを得ない状況に身を置くことによって、英語によるコミュニケーションの重要性を感じることができます。高校生のうちにこういう経験をしておくと、将来につながる気がします。
~~インタビューを終えて~~
行事の運営には実行委員が重要な役割を果たします。上記以外にも、探究セクション・しおりセクション・生活セクションの生徒たちが運営を担いました。縁の下の力持ちの貢献あっての学校行事です。
また近年は、事前にオンラインで交流をしていることによって、現地に入ってすぐに打ち解け、コミュニケーションがスムーズに行くようになりました。自分の英語が通じるだろうか、という不安を持って皆出発しますが、行ってみると何とかなる、自分の英語でコミュニケーションが成立した、という経験は、自信となって将来に生きていくと思います。これまで特に接点がなかった班員と協力して何かを進めていくことは、開智生の得意技です。今回のイギリスの経験が将来につながることを確信しています。