グローバルクラスメートサミット2025(校長ブログ227)
25期生(5年生)の市野川さんが、「グローバルクラスメートサミット2025」のメンバーに選ばれ、アメリカで多くのことを学んできました。参加に至るまでの経緯、学んだことなどについて、話を聞きました。
【グローバルクラスメートサミットとは】
「グローバル・クラスメートは、Kizuna Across Cultures (KAC)によってマッチングされた日本の高校のクラスとアメリカの高校の日本語のクラスが参加する、クラス対クラスのバイリンガル交流プログラムです。(KACのHPより)」。グローバルクラスメートサミットは、グローバルクラスメートに参加した生徒の中から選ばれた生徒(日本7人、米国7人)が、合計約2週間、一堂に会して、オンラインで育んだ友情を、対面での出会いを通じて、新たな発見、対話、協働へとつなげていく取り組みです。開智では、4年生のGBコース・MDコースⅠ類の英語の授業の取り組みの一部として、2024年度、グローバルクラスメートに参加申請をし、認められました。2025年度も参加を認められ、活動しています。
~~この活動に参加したきっかけは?~~
4年生の時の英語の授業で、2週間に1回くらいのペースで、グローバルクラスメートの活動が行われたことがきっかけです。ワシントン郊外のエレノア・ルーズベルト高校とオンラインで交流をしました。お互いの学校生活の様子や、日本のアニメの話、社会問題に関する話など、いろんなテーマを英語で話し合い、とても盛り上がりました。お互いにプレゼントを贈り合ったりもしました。お互いの文化を理解し合って友情を育む、というKACの理念に沿って、異文化理解の活動を多くできたと思います。
~~グローバルクラスメートサミットに応募した理由と、選考について~~
このグローバルクラスメートの活動をした生徒の中から、実際にアメリカに行って直接交流する人が選ばれる、というサミットの話を聞いて、ぜひ応募しようと思いました。私自身、7歳までアメリカにいたのですが、それ以降、異文化に触れる機会が多くはなく、もっと世界を知って刺激を受けたいという思いがありました。また、日本の教育の今後のあり方について関心を持っていて、日米の教育の比較ができるチャンスだと思いました。小論文と、ZOOMによる面接の中で、自分がサミットに参加して考えたいこと・行いたいことなどをアピールしました。総合部時代、異学年学級という仕組みの中で、年齢の違う子どもたちをまとめていくという経験をしたので、その話もしました。メンバーに選ばれて、本当にうれしかったです。合計14人で様々なテーマについてディスカッションする、というのが基本的な形です。前後に大使館の方や協賛企業の方々から話を聞くというプログラムもありました。
~~学んだこと~~
直接のコミュニケーションを通して、信頼関係を構築することの大切さを学びました。国と国との外交も、人と人との信頼関係が基本だと、大使館の方から聞きました。日米それぞれに、日米関係をよりよくしようとしている人がたくさんいることがわかりました。また、多様性の大切さ。多様な人々がいるのが前提となっていて、意見の衝突もあるけれども、議論を通してお互いの考えを理解しようという文化に刺激を受けました。議論で相手の意見を批判したとしても、けっして相手の人格を否定しようとしているわけではないことにも感銘を受けました。
教育に関しても、積極的に議論ディスカッションをしていくことで社会をよくしていこうというアメリカの教育に比べて、日本の教育は受験ということに偏っているという印象を受けました。否応なくグローバリゼーション化していく今後の日本社会を考えると、誰が聞いてもわかるような、ローコンテクストな話し方をして、自分の考えをわかりやすく伝え、積極的にディスカッションをしていく力をつけていく方向に進むべきだと思います。
~~大変だったこと~~
幸いにして、英語でのコミュニケーションは何とかなりましたが、米国の高校生は、社会問題や政治などについて、常に自分の考えを持ち、他者の考えも尊重しながら、積極的に対話を行うことに長けていて、その点、自分は十分考えられてはいなかったということを感じました。
~~今後について~~
今回の訪米で、よりオープンマインドになれたという気がします。世界って、こんなに広かったんだ、と改めて感じました。将来は、日本の社会を良い方向に変えていくために、どういう教育カリキュラムにするのがよいのか、考えていくことに関わりたいと思っています。日本の若者の意識が変わっていけば、日本も変わっていくと考えています。日米双方の若者が、相互に理解・信頼し合って、それぞれの意見を交換できる場も創れればいいなと思います。
~~インタビューを終えて~~
日米合計約2000人の中から選ばれたのは、とても立派なことです。プログラムの最後に、米国日本大使館で英語でスピーチした内容も大変すばらしいものでした。今回の経験を将来の夢の実現につなげてほしいと思います。開智は、対話型・探究型の教育をめざしていろんな取り組みをしていますが、国際的なレベルと比較すると、まだまだということも感じました。グローバルな視点で活躍できる人材の育成のためにも、このような機会を今後も生かし、さらに、日々の教育内容の発展に継続的に取り組んでいきたいと思います。