開智発表会2025(校長ブログ232)
9月13,14日に第29回開智発表会(略して開発)が開催され、多くの方にご来校いただき、盛況のうちに終了しました。生徒が中心になって学校行事を企画・運営するのが開智の伝統です。皆を引っ張ってくれた5年生の開智発表会実行委員会の幹部の生徒達(中村さん、佐藤さん、岡部さん、吉田さん、藤掛さん)に話を聞きました。
~~今年の開智発表会への思い~~
コンセプト『鳳翼』は、生徒一人一人が主体的に、自分らしく輝けるようにと思って決めました。第28回の開智発表会が、第27回の課題をふまえてブラッシュアップすることをめざしていたので、それを受けてさらにブラッシュアップし、来年の記念すべき第30回につなげるということを意識しました。『黎明』『未開の智』『燎』そして、今年の『鳳翼』。コロナが明けて、どういう方向に開発が進んでいくのか、コンセプトと共によく考えました。昨年度の開智発表会のパンフレットに折り鶴を持った子どもの絵があり、その鶴が鳳凰に育って外に羽ばたいていく、というイメージを考えました。「文化祭」ではなく、外に対して発信する「発表会」であることを常に意識しました。
~~特に力を入れたこと、その結果~~
4,5年に関しては、クラスの枠を取っ払って、有志企画での参加という形に大きく舵を切りました。昨年まではクラス企画や有志企画にたくさん参加した結果、企画によっては中途半端になりがちで、クオリティが上がりにくいという課題がありました。規約の厳格化も合わせて進めて、一人一人の生徒が自分がやりたいことに集中することで、クオリティの向上が図れたと思います。生徒会の協力もあって、一つ一つの企画につける予算が増えたことも大きかったです。音楽系やアトラクションなどの現場での運営を、昨年度の課題もふまえてしっかり行うことにも力を入れました。事前の計画段階で設計書を提出させて、安全性を特に重視して丁寧に吟味したり、オーディションも厳格に行って参加条件を満たしているかどうかチェックしたりしました。そのおかげで、大きな事故もなく、高いクオリティを実現できたと思っています。
~~大変だったこと~~
有志企画化という新しいことに挑戦したので、大変なことがたくさんありました。4月になって急に話をしても混乱が生じると思ったので、前年度のうちに準備を進めました。起こり得る問題を事前に洗い出して対策を考えることは、かなり大変なことでした。反対意見に対しても丁寧に説明をしました。外装セクションで製作する門は、昨年度の出来がすばらしかったので、かなりプレッシャーになりました。そして、報・連・相。生徒同士のコミュニケーションはもちろんですが、必要に応じて先生方にも伝えないといけないことがあり、それが漏れてご迷惑をかけることもありました。また、誰のための開智発表会なのか、という点。外部に向けて発信するということはもちろん大事ですが、同時に学校行事として、生徒みんなの満足度も大事。その折り合いをどうつけるか、来年度以降の発展につなげていくためには、一つ一つの課題に今どう判断していくのがよいのか、こういったことには結構悩みました。
~~学んだこと~~
第28回の開発が終わって、来年の開発をどうしていくか、皆で話し合いを始めた時、人それぞれに、考え方や視点が異なるのだというあたりまえのことに気づかされました。そしてありきたりだけれど、相手の立場に立って考えることの大切さを感じました。私達は、つい自分の思いに囚われてしまいがちですが、たえず他者とコミュニケーションを丁寧に続けていくことが重要だと学びました。壁にぶつかって悩んでしまった時は、積極的に人に相談するようにしました。一人で悩んでいても次に進めません。また、感情をぶつけてはいけないこと。ぶつけたくなる場面はたくさんあるのだけれど、そこはぐっとこらえる。それでもモヤモヤする時は、顧問の先生に相談しました。冷静に物事を整理される先生なので、精神的にとても助けられました。
~~後輩に向けて~~
「一人の力ではどうしようもないことがたくさんあるので、仲間や先生と助け合いながら乗り越えてほしい。」「引き継ぎ書類も大事だけれど、問題は現場で起きている、実際に自分の目で見て手を動かして経験することの大事さを理解してほしい。」「変化を恐れず新しいチャレンジをしてほしい。自分の考えで決め打ちせずに、フラットな視点で自分から変えていってほしい。」「自信を持って自分の考えを周りに伝えてほしい。お互いに様子をうかがっているのではなく、自分から伝える。そして、最後に笑顔で終われるものであってほしい。」
~~もう一言~~
今年は、とにかく動き出しが早かった。昨年度の開発が終わったらすぐに検討を開始し、あっという間に一年が過ぎたという感じです。達成感・やりきった感があるので、終わった寂しさ・虚脱感みたいなものは無いです。
~~インタビューを終えて~~
やりきった感という言葉を聞いて、感銘を受けました。1年間検討し続けた甲斐があって、当日の動きはとてもスムーズで、それぞれの企画が十分にやりたいことをやり尽くせたという感じがしました。経験から多くのことを学ぶことができる開智生の特徴が、とてもよく現れた開智発表会でした。来年はいよいよ第30回の開発。後輩たちは先輩たちの動きを見て、来年につなげてくれることでしょう。今から楽しみです。
準備や当日の様子は、学校ブログでも紹介しています。
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