学校ブログ

チェコ交換留学(校長ブログ205)

今年度初めての取り組みとして、チェコのアマゾン高校との交換留学が、10月・11月に行われました。開智生12人がチェコに行き、アマゾン高校生20人と教員2名が日本に来てそれぞれ学ぶという取り組みです。開智日本橋学園中学・高等学校が、ボスニア・ヘルツェゴビナの高校と交流しているのを参考にし、チェコ出身の教員のコネクションも活用して、この取り組みが企画されました。この交換留学によって、お互いに多くのことを学ぶことができました。参加した生徒(榎戸君・槻さん・山縣さん<4年生>、有田君・呂さん<3年生> )に話を聞きました。

【アマゾン高校】

チェコ共和国の首都プラハに位置する私立高校。正式名称は、Anglicko-české gymnázium AMAZON(アングリチコ・チェスケー・ギムナージウム・アマゾン)。プラハで初めて第二外国語として日本語を導入。語学教育や英語によるCLIL教育にも積極的に取り組んでいる。

【チェコ訪問編】

~~参加したきっかけは?~~

「先生から「チェコ交換留学」の話を聞いて、『えーっ』と驚きましたが、せっかくのチャンスだと思って参加することにしました。」「夏休みの海外語学研修(アメリカ、豪州等)には参加できなかったので、ぜひこちらに参加したいと思いました。」「美しい街並みで有名なプラハにぜひ行ってみたいと思いました」「祖父がチェコのボヘミアングラスを集めていたことから、チェコに関心がありました。」

~~現地での取り組み~~

2週間、アマゾン高校の日本語コースの授業に参加しました。午前中は授業を受け、午後の最初は開智生のみの校内外のプログラム、その後はバディといっしょに帰宅して、各家庭でいろんな取り組みをしました。部活動などの放課後の活動がないので、午後の時間がたっぷりあって、いろんな活動をしました。

~~大変だったこと~~

英語のレベルが高くて、ついていくのが大変でした。「国際」の授業で、「EU加盟国は今後増加するか」というテーマで話し合いをしていて、自分の意見も求められたのですが、とっさに英語で自分の考えを伝えるのは難しかったです。ホストファミリーでの最初の食事の時は、緊張で足が震えました。季節的にもう寒いというせいもありましたが。ホストファミリーの皆が英語を話せるわけではないので、コミュニケーションに困る場面もありました。チェコ料理もすべてが口に合うというわけではなく、それでも気を遣って「おいしい」と言ったら、また出てきて困った、ということもありました。レストランのメニューに写真表示がないことも多く、どんな食べ物なのか想像つかないということもありました。

~~学んだこと~~

チェコでは英語ができないと多様な情報を入手できないという状況があるらしく、やはり、実用的に英語を使う場面を増やすことが、英語を上達させる有効な方法なのだとわかりました。相手から英語で話しかけられると、なかなか付いていけない感じになるので、こちらから話しかけて、話す内容の主導権をこちらが持つと、わかりやすいということを経験的に学びました。英語が話せない家族と話すために、片言でもチェコ語を覚えて使ってみると、とても喜んでくれました。相手に寄り添う気持ちが、異文化のコミュニケーションでは大事だと思います。

~~感じたこと~~

日本ではあたりまえと思っていたことが、海外に出るとそうではないということに気づかされます。コンビニや自販機がたくさんあるのは、海外では普通のことではないとわかりました。街並みはきれいなのですが、それでも日本の衛生観念とは隔たりがある部分もあり、これもまた文化の違いだと感じました。またチェコに行きたいです。あと、数学のレベルは日本の上で、数学が苦手な自分でもとてもよくわかったのが、とてもうれしかったです。

【ホームステイ受け入れ編】

~~ホームステイ受け入れのきっかけ~~

チェコですばらしいおもてなしを受けたので、そのお返しをしたいと思いました。英語を話す機会を増やしたいとも思いました。最初は難しいのではというのが家族の意見でしたが、家族会議の結果、受け入れようということになりました。

~~感じたこと~~

1週間とはいえ、受け入れは初めてのことで大変でした。しかし、多くの経験ができてとてもよかったです。日本人同士のような、「あ・うんの呼吸」的なものはないので、やはりしっかりコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。チェコの人は、1日の食事を6回に分けて食べる習慣があるので、日本のように1日3食だとすると、1回の食事の量が少し多めだったかもしれません。アレルギー対応でお母さんががんばってくれました。日本的な場所にも連れていき、喜んでもらえました(初音ミクの大ファンという生徒もいました)。あっという間の1週間でしたが、チェコで受けたおもてなしを100%返せたかというと、少し心もとなくはあります。来年の大阪万博には来ると言っている生徒もいるので、今後もつながりは維持していきたいと思っています。

~~インタビューを終えて~~

交換留学という形式は、本校にとって初めての経験でした。海外に出ていくこと、海外から人を受け入れることによって、我々の視野は広がります。あたりまえと思っていたことが、けっしてあたりまえではないのだということに気づかされます。今自分の目に見えているものがすべてではない、という意識を持つことは、とても重要だと考えます。今回の取り組みをしっかりふりかえって、改善すべき点は改善していった上で、このような取り組みを今後も続けていきたいと思います。アマゾン高校の皆さま、どうもありがとうございました。