チェコ大使館訪問②(校長ブログ130)
25期生がチェコ大使館を訪問することになったのは、英語科のフィリップ先生がチェコ出身であることがきっかけです。フィリップ先生は、昨年度の秋以降、開智で英語を教えてくれています。ちょうどよい機会なので、インタビューしてみました。
~~日本に興味を持ったきっかけは?~~
2つあります。1つめは、高校生の時に、村上春樹の「ノルウェイの森」(チェコ語翻訳版)を読んで、西洋の文学との違いに驚き、日本に興味を持ったことです。2つめは、アメリカの映画「Lost in Translation」で、アメリカから日本にやってきた主人公が日本で経験したことに関心を抱いたことです。大学では日本語・日本文化を学び、3年生の時に東京外国語大学に留学し、さらに日本について学びました。
~~開智で働くことになった経緯は?~~
日本への留学から帰国後、大学院に進みました。チェコでは小学校の頃から英語を学びます。チェコの周囲は別の言語を話す国ばかりなので、国際的な仕事をするには、英語が必須です。大学院では英語について学びました。その後、日本の文部科学省が、「日本語・日本文化研修留学生(奨学金留学生)」を募集しているのを知り、応募した結果、認められたので、熊本大学に留学しました。熊本大学では、「村上春樹『ノルウェイの森』の英語訳とチェコ語訳」がテーマで、たとえば、村上春樹作品中のオノマトペが、英語・チェコ語でどう翻訳されているか、といった研究をしました。留学終了後、せっかく日本語と英語を学んだので、それが生かせる仕事がしたいと思って、日本で英語を教えるという職業を志望し、探した結果、開智で働くことになりました。
~~日本で暮らしてみて驚いたこと~~
お風呂文化です。家族でお風呂を使う場合、先に入った人は、シャワーで体を洗った後にお風呂に入ります。みんなが使うのだから、お湯をきれいに保とう、というお互いの思いやり・信頼関係のおかげだと思います。西洋では、お風呂にお湯を張っても、個人が使ったらすぐに流してしまいます。そこに東西の違いを感じました。
~~開智生へのメッセージをどうぞ~~
英語ができなくても生きていけると思っている人もいるかもしれませんが、これからの日本がどうなるか、わかりません。英語ができると、海外の友達ができたり、海外に行って働くという選択肢も生まれます。自分も日本に来て、とても視野が広がりました。ぜひ、英語を学んで、世界に羽ばたいていってほしいと思います。
フィリップ先生の授業での様子。
~~インタビューを終えて~~
「外へ、未来へ」をまさに実践しているフィリップ先生の言葉は、一つ一つ重いものがありました。日本語の上手さにも感服しました。開智には様々な国から日本に来た先生がいます。追って、ご紹介していきたいと思います。多様なバックグラウンドを持った先生たちから、多くのことを学んでほしいと思っています。