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ディベート部 第28回ディベート甲子園進出②【高校生】(校長ブログ137)

 中学生編に続き、高校生編です。論題は、「日本は有罪判決を受けた者に対する電子監視制度を導入すべきである。是か非か」で、春季大会の時と同じです。

 

~~春季大会からディベート甲子園地区大会まで~~

 春季関東甲信越大会では、優勝することができました。春勝つととことん他校に研究され、夏勝てない、というのがよくあるパターンです。そうならないように、ありとあらゆる反論を徹底的に考え、対応策を考えました。部内で肯定側の担当と否定側の担当に分かれ、相手のスキを突く練習を何度もくりかえしました。他者の非を突くというのは、往々にして険悪なムードになりがちなのですが、そこは長年の付き合いもあって、議論は議論、人間関係は人間関係、と割り切って、シビアな議論に徹することができました。

 

~~地区大会1日目~~

 5年生(高2)の二人が英国フィールドワークに行っているので、4年生(高1)の3人で戦うことになってしまいました。頼りになる先輩二人がいないので、とても不安でした。いつもは先輩が担当する役割を、先輩なら、こう考え、こう言うだろうと想像することによって何とかこなしました。その結果、1日目を暫定1位で通過することができました。先輩のいない穴を埋められてよかったです。

 

~~地区大会2日目~~

 フルメンバーになって臨みました。相手校の提示するデメリットをつぶすことができず、数字の信憑性の比較という展開になり、ヒヤッとしましたが、2-1で辛勝することができました。ここで全国大会出場権を得ることができました。

 

~~地区大会3日目~~

 中学生同様、予選ベスト4による準決勝と決勝です。準決勝を何とかクリアして、慶應高校さんとの決勝戦を迎えました。開智;肯定側、慶應;否定側です。結構リラックスして試合に臨めたのですが、相手が提示した、開智のプランのデメリットをすべてつぶすことができず、最終的に敗北してしまいました。第一反駁では「指摘されたデメリットは確かに存在するが、国としてそれほど大きな問題とはならない」という意見を言うことができたのですが、第二反駁でそれを言うことを忘れてしまったことが敗因だと分析しています。とてもくやしいです。大事なことでも、限られた時間内では言い漏らしてしまうことがありうるということ、その場で丁寧に打ち合わせして漏れの無いように確認することの重要性、などを、改めて認識しました。

 

~~全国大会に向けて~~

 ディベートで確実に勝つには、接戦に持ち込まれないようにする必要があります。接戦となると、ジャッジの判断一つで勝敗が分かれてしまうので、完勝をめざすことが大事だと思います。しかし、そう思いすぎると、接戦になった時に焦ってしまう恐れがあります。地区大会2日目がまさにその展開でした。全国大会ではそうならないよう、地区大会での経験を生かしたいと思います。目標は、もちろん、全国優勝。2018年に先輩達が成し遂げた全国優勝を自分達もめざしたいです。そのためには、一つ一つの試合に全力を投入し、確実に勝っていきたいです。「チームワークを高めること」「最悪の事態を想定してシナリオを準備すること」「時間配分に気をつけること」「ミスに気をつけて、コミュニケーション点をしっかりとること」などに気をつけていきたいです。2018年の先輩たちのスピーチの録音を、何度となく聞きました。すばらしいディベートの録音は、何度聞いてもその都度得られるものがあります。自分達のディベートが、何年後かに、後輩達が何度も録音を聞いてくれるようなものになるようがんばりたいと思っています。

活動場所の教室にて。

~~インタビューを終えて~~

 自分達の技量をいかに上げるか、ということを常に考え、不十分な点があればすかさず手を打ち、打った手も必要があればためらわずに軌道修正していく、という姿に大いに感銘を受けました。まさに「PDCAの鬼」。部長の、「ディベートの録音を聞きながら勉強すると、はかどる」という言葉にはとてもびっくりしました。顧問の樋口先生からは、「目標は全国優勝、目的はいい議論をすること」とよく言われるそうで、それは彼らと話すたびに常に感じられます。全国優勝した2018年の時の生徒も、それをめざしていたように記憶しています。悲願の全国優勝をめざして、そして、両者がっちりかみあったすばらしいディベートをめざして、がんばってください。心から応援しています。