医学部地域保健実習&卒業生インタビュー⑪(校長ブログ177)
本校18期生(2020年卒業)で群馬大学医学部に進学した3人(小川万裕さん、高橋佑弥さん、山田泰斗さん。群馬大学医学部医学科5年に在籍)が、「地域保健実習」という講座を取っている関係で、本校の保健室等に実習にやってきました。「中高における生徒のメンタルヘルスに対する保健室の役割について」「コロナ禍における学校保健について」「学校におけるコロナ対策について」というテーマを各自持っていて、それぞれのテーマに沿って、3日間の実習を本校で行いました。せっかくの機会なので、MDコースや医系クラスの生徒たちとの接点を設けると同時に、インタビューもお願いし、こころよく引き受けてくれました。
~~現在の状況とこれからについて教えてください~~
臨床実習で各診療科を1~2週間ずつ、順番に回っています。5年後半になると、いつくかの診療科に絞って、約4週間の実習に入ります。並行して研修医として勤務する病院を探す就活が始まります。6年生の後半には、まず卒業試験があり、その後、国家試験となります。国家試験に合格すれば研修医となり、研修医後期の3年間で自分の診療科が決まります。
~~どういう方向性を考えていますか?~~
(小川さん)もともと小児科がいいと思っていましたが、小児外科も考えています。
(高橋さん)内科を志望していましたが、外科も考えています。
(山田さん)整形外科を志望していましたが、外科にも興味があります。
~~開智での経験が今につながっている点は?~~
(小川さん)開智時代には、実行委員や部活や作文コンテストなどいろんな活動にチャレンジしました。大学生活が充実するかは自分次第のところがあります。子ども対象のボランティア活動や国際医療ボランティア活動などに参加していますが、開智で様々なことにチャレンジした経験が生きています。
(高橋さん)開智での探究が役に立っています。次にどうなるか、仮説を立てて、論理的に思考していく力は探究で身につきました。常に、次にどうしようか、点と点をどうつなげていこうか、というふうに考える習慣が身についています。大学では弓道部に所属しています。
(山田さん)開智ではテニス部の活動に熱中しましたが、大学でもテニスを続けています。東日本医科学生総合体育大会のテニス部門の主幹業務を担うことになり、多くの経験をすることができました。ここにも開智での経験が生きていると思います。
~~開智生と接してみて感じたことは?~~
(小川さん)私も開智の5年生の時に、群馬大学医学部の先輩の話を聞く機会があり、とても刺激を受けたのですが、自分がその立場に立って、開智生に医学部生として話をする機会ができたことを、本当にうれしく思いました。こういう機会が増えるといいと思います。
(高橋さん)自分が中学生高校生の時は、ものごとを漠然としか考えられなかったような記憶がありますが、開智の中学生高校生と話してみて、みなよく考えているなあと感じました。自由な発想を持っている生徒もいて、頼もしく思いました。
(山田さん)私が高校生のときも先輩の話を聞き、医学部に進むということがどういうことかよくわかった、という記憶があります。今は逆の立場で、医学部生として必要なことはどういうことか発信する立場になったことは、感慨深いものがあります。
~~開智生へアドバイスをお願いします~~
(小川さん)中高生時代は一瞬です。いろんなことにチャレンジしてください。先生も応援してくれるはずです。興味関心を深めてください。
(高橋さん)開智は面倒見のよい学校です。視野を広げながら、今の時間を思い切り楽しんでください。
(山田さん)今でも時々開智生と会って話をすると、いろんな思い出話になります。熱中できるものに取り組むと、それは大学受験でも、大学生になってからの生活でも、大きく生きてきます。熱中できるものを見つけてください。
~~インタビューを終えて~~
保健実習の一環として、学校保健に関する質問を筆者も受けました。一人前の医師をめざして真剣に学んでいる姿を見て、非常に頼もしく感じました。同時に、開智生だったころに先輩から学んだことを、今度は後輩に伝えている様子から、先輩後輩のつながりの大切さ・多様な学びの機会の重要性も感じました。今回彼らから影響を受けた、現在MDコース・医系クラスの生徒たちが、いつの日にか、未来の開智生のためにその経験を話してくれる機会が来ることを、今から楽しみにしています。