高校生クイズ決勝出場(校長ブログ150)
日本テレビで放映の、「第43回全国高等学校クイズ選手権決勝大会」に、本校5年の熊倉悠弥君が出場しました。6位というすばらしい結果でした。おめでとうございます。これまでの経緯と今後のことについて、話を聞きました。
~~1次予選・2次予選の様子は?~~
1次予選はオンラインでの勝負、2次予選は日本テレビでのペーパークイズでの勝負でした。期末考査や夏期講習など忙しい時期だったので、特別の対策はできませんでしたが、今までの蓄積で、1次予選は1860校中30番以内、2次予選は30校中16番以内、という基準を何とかクリア(1次予選:7位、2次予選:9位)できました。
~~決勝大会に向けて~~
出るからには、優勝をめざしていました。2次予選の問題を思い出して復習したり、市販の問題集を見直してみたりなどの対策をしました。抜けがないか、知識のメンテナンスを行うことを心がけました。
~~決勝大会で~~
たくさんのカメラが向けられている中でのクイズは初めての経験で、とまどいもありました。力士が石を積み上げてピラミッドを作るのに要する時間を問う問題では、「力士2万人」という条件をうっかり失念してしまい、力士1人だと18万年かかるという答えを出してしまいました。正解が「9年」だっただけに、悔いが残ります。こういう点では、2人で協力して解く方が正解率は上がるので、2人で出た方がよかったかも、という思いはあります。ベスト4に残って第2ラウンドに進むことができなかったのは、本当にくやしかったです。撮影の段階では、極めて正解者が少なかった、フランスのムーラン・ド・ラ・ギャレットの絵画に関する問題で僕の回答がクローズアップされた場面があったのですが、編集の段階でカットされてしまったのも、残念です。しかしながら、出場者と交流ができたのはとてもよかったです。前日は放送局の隣のホテルに宿泊したのですが、隣部屋の方とお話したり、翌日の準備をいっしょにしたりしたのは、とてもよい思い出です。
~~今後の目標と、自分らしいクイズへの思いなどを聞かせてください~~
来年も出場し、今度こそ、第2ラウンドに進みたいです。自分自身としては、クイズで勝つことを当然めざしているのですが、それ以上に、世の中のいろんなことを知りたいという思いが強いです。クイズというと、ひたすら知識を丸暗記するというイメージがありますが、実際に、そういった問題も多いのですが、同時に、思考力・分析力・読解力・空間認識力など、様々な能力を駆使して解く問題も結構出ます。今回も、高校の各教科で学ぶような知識が問われるような問題が出ました。「何でも知ってやろう」の精神で、いろんなことに興味を持っています。
~~クイズに「読解力」というのは、ちょっと意外ですが~~
開智の探究テーマでも取り組んだのですが、助詞や助動詞の使い方によって問題文を最後まで聞かなくても問題を予想できる、ということを探究しました。競技クイズの世界では、「運」による影響を排除しようということが、近年、主流になっています。問題文の前半と後半で言っていることが全然変わる、過度な「ひっかけ問題」「ですが問題」はあまり出なくなっています。となると、知識や経験と読解力をもとに問題文を的確に予想する能力が、「早押しクイズ」では威力を発揮します。今回の決勝大会の第1ラウンドは「早押しクイズ」形式ではなかったので、来年は何としても、早押しクイズのある第2ラウンドに進みたいです。
~~大学では何を学びたいですか?~~
生態系に興味を持っています。受験科目としては生物と化学を選択しています。高校生クイズでは物理で学ぶ知識を使わないと解けないような問題も出るので、ある程度は物理も学ばないといけないのがつらいところですが。
~~インタビューを終えて~~
あと一歩で第2ラウンドに進めたのに、叶わなかったことは、とても残念でした。でも、まだ来年があります。何度も貪欲に知ろうという姿勢は、まさに「知の巨人」です。熊倉君と話していると、クイズというものへの見方が大いに変わってきます。先日行われた開智発表会においても、「開智王3rd」という有志企画がとても盛況でした。今後の活躍に期待します。