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映画感想文コンクール2021全国大会グランプリ受賞(校長ブログ64)

 本校国語科が毎年取りまとめて応募している、「映画感想文コンクール2021全国大会」において、3年生の丹保佳乃さんが、中学生の部のグランプリを受賞しました。おめでとうございます。受賞にいたる経緯や工夫した点などを、聞いてみました。

「映画感想文コンクール」とは

今年度中に見た映画(映画館でもネットでもTVでもOK)について書かれた感想文のコンクールです。小学生の部と中学生の部があり、中学生の部は、1200字以内の感想文となります。今年度は、小学生中学生合わせて13365通の応募があり、グランプリは、その最高ランクの賞です。

校長室で記念撮影。

~~題材とした映画と受賞作のポイントを教えてください~~

「オオカミ少女と黒王子」という高校生が主人公の恋愛映画です。最初は、恋愛についての作文を書くことになるのだろうと自分では思っていましたが、映画の中のセリフ「大切な気持ちは、ちゃんと言葉にしないと伝わらないんだからね。」にハッとさせられた瞬間、自分のそれまでの体験と結びついた気がしました。そこで「言葉」の持つ力について書くことにしました。文字では伝わらないものが映像では伝わります。鑑賞者が受け止めるものに差ができることで、読書感想文と映画感想文との違いが生じると思っています。

~~作文を書く上で気をつけていたことは?~~

多くの応募作の中から選ばれるためには、最初の一文で審査員の目をひきつける必要があると考えました。最後の一文も。それで、最初と最後の一文は、格好のいいものにしようと思いました。そして、自分が伝えたいと思っていることが、ちゃんと表現されているか、ということにはこだわりました。書いた文章を何度も目や声に出して読み返し、またiPadの音声機能に読ませたりと、確認を繰り返しました。その過程で違和感を覚えた時は、その都度、より適切な表現をめざして書き直しました。また、「目でも声でも読みやすい文章」を心がけ、語感や句読点の位置、数など細部にもこだわりました。

~~丹保さんは、1年生の時もグランプリを受賞しましたが、その時と書き方を変えた部分はありますか?~~

1年生の時は、好きな作家の映画にしようと思って、東野圭吾さんの作品にしました。今回は中学生最後の年なので、好きな作家ということではなく、中学生らしい映画がいいと思って、恋愛とか青春といったことが題材の映画にしようと思いました。そういう映画は普段はあまり見る方ではありませんが。2年生の時には地方大会止まりで全国大会に行けなかったので、今度こそはと思って、気合いを入れて書きました。

~~今後の目標は何ですか~~

作文は好きなので、高校生になってからも、このようなコンクールには応募してみたいです。将来は、文章に関わる仕事につけたらいいなと思っています。

~~最後に一言~~

自分の思いを言葉にするということは、難しいけれども、とても大切なことだと思います。言葉にしないと、他の人には伝わりません。きれいな言葉を使って、自分の思いを人に伝えられたらいいなと思います。

 何十回も読み直して推敲に推敲を重ねるという点に大変驚きました。丹保さんは小さい頃から読書好きだったということなので、ちょっとした表現の差異にも敏感なのだと思います。自分の書いた文章に対する違和感を見逃さず、よりよい表現をめざして格闘する様子が目に浮かぶようで、大いに感服しました。今後も自分の思いを的確に表現できる文章をめざして、努力し続けていってほしいと思います。グランプリ受賞おめでとう。

 また、このコンクールに参加した大勢の開智生の力作のおかげで、開智中学校が「優秀団体賞」を受賞することができました。これも皆で祝福したいと思います。