学校ブログ

商店街活性化に協力できることは何か(校長ブログ199)

岩槻の商店街を活性化するお手伝いができないか、という4年生の思いからスタートし、岩槻の商店街の祭りで駄菓子屋を開くというプロジェクトが実施されました。ボランティア委員会の生徒たちも加わり、現在も進行中です。きっかけを作り、中心となって進めてきた4年生(白神さん、鈴木さん)に話を聞きました。

 

~~この活動を始めたきっかけは?~~

岩槻に住んでいるのですが(白神さん)、大きなスーパーが閉店になり、どこで買い物をすればいいのか、という問題が発生しました。そんな中、地元の「岩槻本丸キラキラ商店街」に注目しました。NPO法人「岩槻まちづくり市民協議会」主催の市民交流カフェ(月1回開催)に参加し、会長の奥山様(情報誌「ら・みやび」の編集長でもいらっしゃいます)のお話を聞きましたが、そこで岩槻本丸キラキラ商店街の組合会会長の橋本様をご紹介いただき、商店街の課題などについて、さらに詳しくお話を聞きました。岩槻に子どもがいないわけではないが、商店街に来るきっかけが少ないので、子どもを呼び込むきっかけを作るといいのでは、という話になりました。この商店街には駄菓子屋さんがないので、駄菓子屋さんがあれば子どもが集まるのでは、という提案をしたところ、ご理解をいただきました。具体的には、毎年秋に行われる商店街の秋まつりで駄菓子屋さんを開くのがよいのでは、というアドバイスをいただきました。3年生~4年生にかけての探究は、系統別に分かれますが、私たちは「地域貢献系統」に所属しているので、探究活動の一貫としてこの活動に取り組むことにしました。さらに、「探究×委員会」のコラボ企画として、ボランティア委員会の生徒たちも協力してくれることになり、チームでの活動になりました。

 

~~【活動①】夏の岩槻まつりでの和菓子作り~~

組合会の会長さんが、地元の和菓子屋「磯崎屋宗庵」の店長でもあるので、和菓子についてもいろんな話をしました。その中で、「岩槻を盛り上げよう」という目的のもと、開智生が提案した新しい和菓子を、岩槻の和菓子屋さん方に作っていただき、夏の岩槻まつりで開智生が販売する、という企画を行いました。日頃は競合する部分もある和菓子屋さん方が協力して関わっていただけたことは、本当にありがたかったです。最終的に3つの新しい和菓子を作っていただき、岩槻まつりで販売したところ、ボランティア委員の生徒たちの呼び込みもあって、完売でき、とてもうれしかったです。

 

~~【活動②】キラキラ商店街秋まつりでの駄菓子屋さん~~

秋にある本丸キラキラ商店街秋まつりで、駄菓子屋さんを仮店舗(テント)で開くことをスタートとし、その後は閉店で空き店舗となったスペースを活用して、周期的に開店するという計画を立てました。まずは秋まつりで駄菓子屋をオープンしました。駄菓子の販売は、夏の和菓子販売の経験が生き、気持ち的には少し余裕を持って取り組めました。大勢の子どもが訪れてくれたことは、大きな収穫でした。ボランティア委員会の顧問の手塚先生のご提案で、店の隣に手作りのおもちゃ(割りばし鉄砲やメンコなど昭和の遊び)の遊び場を作ったこと、図書委員による紙芝居実演などがあったことなどもあって、大盛況でした。

 

~~大変だったこと~~

和菓子販売の方は、何せ初めての経験でわからないことがたくさんありました。駄菓子販売の方は、若干慣れてきたものの、駄菓子を問屋さんから仕入れて、いくらで販売するのがいいのか、とても難しく、皆で大いに議論しました。ものを仕入れて販売することの難しさを痛感しました。また、ボランティア委員会の協力で、総勢30人を超えるチームをまとめることとなり、その難しさも感じました。今まであまりリーダー的な役割をしてこなかったこともあり、とまどうこともたくさんありました。

 

~~学んだこと~~

今までは地域とのつながりということについて、あまり考えたことはありませんでした。今回、多くの地域の方にお世話になり、人と関わることの大切さを学びました。地域にはすごい方が大勢いらっしゃるということが、よくわかりました。また、商売の大変さ・難しさについても学ぶことができました。

 

~~今後について~~

元々はパン屋さんでしたが、今は空き店舗となっているスペースをお借りして、月1回のペースで、駄菓子屋さんを開きます。皆と協力してうまく進めていきたいと思っています。

和菓子の作り方について、橋本様からご指導いただいています。
岩槻まつりでの開智の和菓子店。完売しました。
秋まつりでの駄菓子屋の様子。大勢のお客様に来ていただきました。
校長室にて

~~インタビューを終えて~~

「地域の問題をどう解決していくか」「探究と委員会活動のコラボレーションはどのようにあるべきか」「チームをどう組織し、運営していくか」など、多くのポイントが詰まっている活動だと思います。この活動は、公益財団法人ベイシア21世紀財団様のご支援もいただいています。多くの方のご支援のもとに、この活動が成り立っていることに、感謝申し上げます。生徒たちもこの活動を通して、多くのことを学んでいます。それが、将来の日本の社会をよりよくしていくことにつながっていくことを、期待しています。