学校ブログ

海外での体験から考える(校長ブログ98)

 本校HPに掲載されている、テレ玉さんの「#アオハルのむこうがわ」の動画に、5年生の小宮雪鹿さんが出演しました。国際協力機構JICA主催の「中学生・高校生エッセイコンテスト」における優秀賞受賞がきっかけです。小宮さんは、以前にも本ブログに登場しています(校長ブログ53)。改めて、今までの活動のふりかえりとこれからの展望について、語ってもらいました。

 

【これまでの海外体験】

○中学2年夏 カンボジアへ国際ボランティア

○高校1年夏 文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」に応募し、

 審査を経て、タンザニアへの短期留学(国際ボランティア枠)

○高校2年夏 ①JICAエッセイコンテストの副賞でマレーシア短期留学

      ②田崎財団の支援を得て、イギリスへ短期留学

 

~~今回受賞のエッセイを書くことにしたきっかけは?~~

中2の時のカンボジアボランティアの時の経験から、タンザニアより帰国した後、現地で体験したこと、考えたことなどを整理しておくことの必要性を感じてはいました。そもそもエッセイを知ったきっかけは、学年の根岸先生が学年の掲示板に貼ってくださっていた、様々な高校生向けのコンテストをまとめたチラシでした。エッセイ提出の決定打となったのは、タンザニアから帰る時、エチオピアの空港でJICAの青年海外協力隊の方達とたまたま出会ってお話しした時にJICAエッセイコンテストの話になり、頭の片隅で、それって渡航前にどこかのチラシで見たな〜、と思い出し、ついつい協力隊の皆さんに「出します!」と言ってしまったことです、、!自分の気持ちを整理できる良い機会でもあるし、言ってしまったからには出さなければ!という気持ちもありました。

 

~~最初のカンボジア訪問以外は、様々な機関の支援を得て海外に飛び立っていますが、必要な情報の収集のコツはありますか?~~

なるべく費用をかけずに海外に行きたいと思っていたので、やはり情報収集はとても重要だと考えました。インターネットでももちろん情報は集めましたが、一番のポイントは、人とのつながりだと思います。トビタテ!留学JAPANの関係で、自分と同じように海外に飛び出していきたいという多くの高校生と知り合い、その人たちとその後も常にSNS等でつながって情報交換したのが一番大きかったです。

 

~~様々な国で様々な人々と交流をするにあたって、大事なことは何ですか?~~

日本とは異なることばかりで、「え、ほんと!?」ということがたくさんありますが、まずは一旦受け止めることが大事かと思います。あと、積極性。タンザニアで初めて一人で国際ボランティアに参加しましたが、その時に緊張してあまり話しかけられなかった反省から、マレーシアやイギリスでは積極的に関わっていこうと心がけました。

 

~~体験から何かを学びとるには、何が重要でしょうか?~~

まったくの無の状態で飛び込んで行っても、いろんな情報の存在に気づかず、スルーしてしまうことがありがちです。事前に調べたり、考えたりして、情報をキャッチする感度を上げておくことが大事だと思います。もちろん、それが先入観につながって、事実を見誤ってしまう危険もあるので、ちょうどいい具合というのが、難しい点でもありますが。

 

~~体験を次に生かすには、どうすればいいでしょう?~~

ちょっと精神論っぽくなりますが、自分が設定した到達すべきゴールを常に意識するということでしょうか。私の設定したゴールは、「世界の子どもが環境によらず夢を実現できるようにする」なので、あらゆる体験は、このゴールへの到達のためには必要なことなんだ、と信じることにしています。「役に立ちそうなことだけを取り入れて、次に生かそう」という考えでは可能性を狭めるかな、と。開智の先生たちからは、「目先のことで役に立つ、役に立たないを判断してはいけない」といつも言われていますし。

 

~~これからの方向性を教えてください~~

大学で人類学を学びたいです。多様な文化、多様な考え方を理解し、自分の進むべき道を考えたいと思っています。できれば、大学院に進み、その上で、ユニセフで働けたらと思っています。世界の子どもの育つ環境を良くしていく仕事をしたいです。

タンザニアにて

~~インタビューを終えて~~

行動力だけでなく、社会のこと、未来のことを深く考える力もあると、とても感服しました。トビタテ!留学JAPANでは、タンザニア以外にも、ネパール、ペルーへの短期留学の審査に通ったそうで、それと大学に進むための勉強とどう両立していくかを、目下思案中だそうです。引き続き今後の活躍を応援したいと思います。