アメリカ留学(校長ブログ187)
1年間、アメリカテキサス州の高校に留学し、6月に帰国した5年生の大村さんに、留学時の経験についてインタビューしました。
~~留学を考えたきっかけ~~
もともと英語が好きだったのですが、さらに英語力を磨きたいと思いました。人と違うことをやってみたいという気持ちも常に持っています。高校受験のない中高一貫校では、中3で準備して、高1から高2で留学、というスケジュールが無理なく行えるので、留学しやすい環境にあると思っています。時間に余裕のある高校生のうちに留学しておくのがいいとも思いました。英語圏であることももちろんですが、「移民の国」で多様性が豊かと言われているアメリカの様子を、自分の目で見てみたいと思ったのが、留学先をアメリカにした理由です。
~~学んだこと・得られたこと~~
ホストファミリーの体調不良が原因で、高校が途中で変更になりました。その結果、地域・人種構成・階層・宗教など様々な条件の変化で、教育のあり方が大きく違うということを実感できたことがとても大きかったです。外から来た人を積極的に受け入れる、受け入れないの差もありました。多様な人たちと友人になれたことはとても良かったと思います。ヨーロッパの非英語圏の国から来た留学生は、皆英語が得意で、すごいなあと感心しましたが、それはヨーロッパで生きていると、英語を学ぶ必要性が常に感じられるから英語を自然と学ぶようになるのだろう、日本は日常的に英語を使う必要がないからなかなかできるようにならないが、日本語だけでいろんなことができるということは、逆に恵まれているのだ、とも考えるようになりました。欧米の文化へのあこがれを何となく持ってしまいがちですが、日本のすばらしさも再認識しました。あと、度胸がつきました。いろんな経験をしたことで、ちょっとやそっとじゃへこたれなくなりました。怖いものがないという感じにもなって、これは行き過ぎないよう、気を付けてはいます。
~~帰国後とこれから~~
元々は外に出かけるのが億劫な方でした。しかし、留学のおかげでアクティブになったこと、また、「外へ、未来へ」という学校目標にも少し刺激を受けて、積極的に外に出て活動しようという意欲が高まりました。夏休みも、手話の市民講座に出席したり、英会話カフェに行ったり、ボランティア活動をしたりしています。外に出ていくと、いろんな人と知り合いになり、視野が広がっていくということを実感しています。当面は、高等部の生徒とペアになって、模擬国連に出場することになっているので、がんばってみようと思います。大学では、一つのことを深めるというよりは、広くリベラルアーツを学びたいと思っています。また、留学中になかなかコミュニケーションがとれなくてつらい思いもしたことから、他者との関係や自己理解について深く考えるようになりました。そこで心理学や哲学、倫理学などは、他者との対話をより意義深くするための視点を提供してくれる学問だと思うのでそういった分野にも関心が沸き、今学んでいる公共の授業がとても面白いと感じるようになりました。そういう方面を大学で学ぶのも面白そうだという気がしてきています。将来的には、TV番組の制作の仕事にも興味を持っています。
現地で同級生たちと。
~~インタビューを終えて~~
非常に元気でいろんなことに前向きにチャレンジする雰囲気を感じ、とてもたのもしく思いました。留学中には様々な課題に直面する場面もあったようですが、それを乗り越え、新たな挑戦に次々に取り組んでいる姿勢はすばらしいです。まずは模擬国連で力を発揮してくれることを期待しています。