教員インタビュー①【国際バカロレア】(校長ブログ231)
今年度から一貫部5年生で、国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(DP)のコースがスタートしました。世界共通のカリキュラムに則って学習するとともに、IBを学ぶ他校との連携も深めています。IBクラスの担任(田中佳太教諭)に話を聞きました。
~~1学期・夏休みの様子をふりかえって~~
いい感じでスタートが切れたと思っています。IB1期生ということで、生徒も非常に意欲的に取り組んでくれています。予想外のことも皆で相談しながら解決しています。担当の教員間の連携もうまくとれていると思います。開智の教育理念である、創造型・発信型の教育をまさにIBにおいても実践している感じです。自分でプロジェクトを立てて実験したり、外部の団体と関わったりなど、主体的に取り組んでいます。
~~他校との協働でめざしたもの~~
IBはもともとインターナショナルスクールでの教育のために作られたもので、様々なバックグラウンドを持った生徒が集まる多様性の高い集団が前提となっています。日本の普通の学校で実施されるIBは、多様性という点で課題があると考えています。特に開智ではIBクラスの人数がまだ少ないので、よりこの点を意識する必要があります。そこで、他校との協働を増やしていこうと考えました。TOK(Theory of Knowledge「知の理論」。IBのコア科目の一つ。)は開智日本橋学園高等学校と夏休みに合同授業を行いました。LanguageB(英語)は、開智望中等教育学校とのオンラインでの合同授業を開始しています。
~~実際の様子~~
いつものメンバーで授業をやっていると、誰がどのような考えでどのように話すか、何となく予想がつくようになります。それで、お互いに何となくわかった気になりがちです。しかし、開智日本橋でのTOKの授業では、そのような前提知識のようなものがないので、なかなか相手に自分の考えが伝わらないというもどかしさを感じたようです。わかりやすく自分の考えを言語化できないと、全然通じない。とてもいい経験をしたと思います。こちらの生徒の数が少ないので、グループに分かれた時、一人で複数の生徒を相手に対話をする必要があります。普段助け合って取り組むことが多いのですが、この状況では自分一人でがんばらなければならないという傾向があり、これもいい経験だったと思います。また、初対面の生徒同士であっても、同じIBを学んでいるという仲間意識みたいなものが生まれて、一緒に高め合おうという感じになったこともよかったと思います。
~~今後の方向性~~
CAS(Creativity, Activity, Service 課外活動的な取り組み。コア科目の1つ)の発表会(さらに、IBのコア科目が自分のキャリアにどうつながっていくかについての発表会)を、開智学園以外のIB校も含む4校で合同実施することを検討しています。これは生徒が実行委員会を作って運営することで準備を開始しています。また、国内だけでなく、海外の学校との協働も行っていきたいと思っています。既にチェコや韓国の姉妹校との連携は始まっていますし、その他にも海外のIB校との協働を増やしていきたいと考えています。時差の問題をどう解決するかということが現在の課題の一つです。このような他校との交流は、生徒にとってもとても有益ですし、私達教員にとっても、いろんな情報交換ができるので、とても意義の大きいことだと思います。同じ学校法人でここまでIBをやっている(開智日本橋、開智望、開智、そして今後は開智所沢)ところは他にないので、その強みを生かしていきたいです。そのためにも、開智のIBについて、校内外の方々に知ってもらう取り組みをしていきたいと考えています。
~~インタビューを終えて~~
元々、他者と意見を交換し合って、協力して何かを創り上げていく能力については、開智生は高いものがあったと思いますが、IBに取り組むことによって、その力にますます磨きがかかり、国内外の他者と協働するスキルが高くなってきていると感じます。IBでの取り組みですばらしいものがあれば、どんどんIB以外の活動にも応用していきたいと考えています。IB導入によって、本校の教育がさらに発展していくことを願って、様々な活動に取り組んでいきます。




