学校ブログ

卒業生インタビュー⑨(校長ブログ168)

 15期生(2017年卒)の西村珠瑛さん(中央大学法学部~早稲田大学法科大学院)と鈴木亨太さん(一橋大学法学部~同法科大学院)が、司法試験に合格したということで、学校に報告しに来てくれました。おめでとうございます。法曹に興味のある在校生に話をしてくれた上で、インタビューに応じてくれました。

 

~~法曹に興味を持ったきっかけは?~~

(西村さん)

開智の探究では、1年生からずっと、犯罪心理学に興味を持って取り組んできました。刑事事件の解決ということに関心が高かったと思います。医学部に進んで精神鑑定について研究することを考えたこともありましたが、得意科目的に文系にしました。担任の先生から、「西村さんは弁護士向きだね」と言われたことも、ずっと心の支えになりました。

(鈴木さん)

映画『それでもボクはやっていない』を見たことがきっかけです。また5年生の時に、「夢ナビライブ」という高校生向け進路イベントに参加して、弁護士の方と話したことも大きかったです。法律を学べば、社会のことがわかるのではと思い、法律の専門家という立場で社会問題の解決に取り組みたいと思いました。

 

~~開智での大学受験勉強の時の様子は?~~

(西村さん)

文Xという東大文系をめざすクラスにいました。自分の伸びが実感できない時期もあって、不安な気持ちにもなりましたが、先生が励ましてくれて、がんばれたという記憶があります。

(鈴木さん)

同じく文Xにいました。4月の勉強合宿で、自分はどこまで勉強できるのかがわかり、気合が入りました。仲間といっしょに勉強するスタイルが自分にはとても合っていると思います。

 

~~大学・大学院時代~~

(西村さん)

法曹をめざそうという気持ちはもちろんありましたが、いろんなことに挑戦して可能性を広げたいという気持ちもあって、サークル(フラッシュモブ)や長期インターン(女性向けメディアライター・SNSマーケティングなど)に取り組みました。大学生らしい生活を送れたと思います。中央大学法学部には「炎の塔」と言われる研究棟があって、代々伝えられてきた司法試験合格のためのメソッドが詰まっています。そこで仲間といっしょに勉強するという、開智での学びにも似た環境があり、充実した日々を送ることができました。大学院は、早稲田大学へのあこがれの気持ちもあり、早稲田に行きました。予備校に行かずに司法試験をめざしたという点も、開智に似ていたと思います。

(鈴木さん)

大学1年の時は、バスケのサークルやスポーツジムのバイトなど、楽しい活動もたくさんしました。同時に、視野を広げるために、教材会社でインターンもしました。2年生以降、司法試験の勉強を始めました。一橋大学は司法試験のためのサポートをしてくれるわけではないので、予備校に通いました。大学時代は個人で勉強を続けないといけないことが多く、結構つらかったですが、大学院以降は少人数のゼミの仲間といっしょに勉強するようになったので、気持ち的にだいぶ楽になりました。やっぱり、開智的な皆で学びあうというやり方が自分には合っていると思います。

 

~~司法試験について~~

(西村さん)

直前期は、あえて自宅にこもって勉強しました。自分はつい人と比較して一喜一憂してしまう面があるので、メンタルを維持するために、この方法をとりました。試験は5日間あり、体力と精神力勝負となります。疲れから寝坊をしないよう、何重にもモーニングコールをお願いしたりしました。

(鈴木さん)

試験一週間前に発熱して焦りましたが、何とか受験できました。友人からは、やけにハイテンションだと言われました。緊張していたのかもしれません。やはり5日間は体力的にもきつかったです。

 

~~今後の方向性~~

(西村さん)

以前より刑事事件に興味があるので、検察官か、刑事系の弁護士を考えています。一方で、企業法務にも興味があるので、これから始まる司法修習の中で考えていきたいと思います。

(鈴木さん)

大学4年生の時に企業法務事務所でインターンをしたこともあり、その方面に興味があります。ロースクールで交渉論も学んだので、M&Aや企業訴訟業務に取り組みたいと考えています。

 

~~開智生時代をふりかえってください~~

(西村さん)

合唱コンクール、体育祭、開智発表会、イギリスフィールドワークなど、行事に全力投球しました。開発では有志団体3つと実行委員掛け持ちなど、大変でしたが、とても充実していました。

(鈴木さん)

野球部と体育祭応援団副団長に主体的に取り組んだことが思い出深いです。学校の授業・放課後特別講座を最大限活用したように思います。

 

~~開智生へメッセージをどうぞ~~

(西村さん)

選択肢が広い方が幸せです。今一生懸命やっていることは、将来的にけっして無駄にはなりません。学校行事も授業も、大人になってその経験が生きてくるということがたくさんあります。可能性を広げることに全力を投入するのがいいと思います。

(鈴木さん)

勉強でも何でも、自分に合ったやり方というものがあります。できないことがあっても、あまり思いつめず、いろんな人と相談しながら、やれる範囲でやる、楽しむ、という姿勢が大事だと思います。

法曹に興味のある在校生と話しました。
受験生に配布される、司法試験用六法。
早稲田ロースクールの卒業式の日に記念撮影。
司法試験合格発表の日【2023年11月8日午後4時】。
2人が受験勉強に使用したノート。
校長室にて。

~~インタビューを終えて~~

 2人とも、大学受験では第一志望に合格することはできませんでしたが、大学入学後も自分がやりたいことを追求し続けて、そのチャンスをつかみとることができました。周囲に流されることなく、自分の未来は自分で切り拓くという姿勢を継続できたのは、本当にすばらしいことだと思います。大学受験はあくまで通過点、大事なのはその先、ということを再認識しました。同時に、開智での学校生活を通して、自分に合った勉強方法や生き方を身につけて、その後の人生に生かしているのだなあと思うと、感慨深いものがあります。法律の専門家として、社会問題の解決に取り組んでいく2人を、今後も応援していきたいと思います。改めて、おめでとうございます。