自由すぎる研究®EXPO2026金賞受賞(校長ブログ268)
3年生の矢萩さんの探究論文「皿の色と食欲の関係について」が、「自由すぎる研究®EXPO2026」において、金賞「縁の下のまちづくり賞」を受賞しました。おめでとうございます。話を聞いてみました。
~~このテーマにした理由~~
2年生の最初の頃に、家庭科の授業で「服と色の関係」を習いました。 服の色について、周りから見てどういう印象を持つかというような内容でした。色で結構印象が変わるということを学んで、「じゃあ料理だとどうなるのかな?」と、今度は洋服ではなくて料理で考えてみようと思いました。
~~工夫したこと~~
2年生の夏休みの時は、中華と洋食と日本食(和食)の3つのジャンルに分けて、「ジャンルごとに人々が好む皿の色と料理の組み合わせは違うのでは?」と考えました。この時は「美味しそうに思うか・思わないか」というアンケートを取っただけで、数値的な検討という感じではありませんでした。
その後、「数値的な検討をするにはどうしたらいいかな」と思って探していたら、「色相環の角度」というのがあることを知りました。例えば赤が0度で、色ごとに角度が割り振られているものがあって、それを元に全体の票の中から何%の票がこの色に集まったか、というのを出しました。単に「美味しそうと思った人何人、そうでない人何人」というアンケートではなくて、皿の色の角度をいろんなところから取って平均を出した上で、そこに乗っかっている料理自体の色の角度も測りました。この2つの角度の差が離れているほど美味しく見えるのではないか、という仮説を立てました。料理は同じで皿の色を変えて実験したのですが、赤とか黄色とかの同系色だとあまり票が集まりませんでした。料理とお皿が同系色だとあまり惹かれないのでは、と考えて、色相環の角度を求めて、全体の集まった人を横軸、色相の角度を縦軸にした相関図を作ってみました。10月の森のフィールドワークの時に相関図を作成することを学んだので、それを参考にして作ってみたら、それぞれ料理によって違いが見られました。全体的に、使われている色が結構単純で1色や2色などの料理は、自分の予想と違って「色相環の角度の差が小さいほど人気が集まる」ということが分かりました。あと、結構色が複雑だったり焼き加減があったり、冷たい料理だったりすると、そこら辺はばらつきが見えてあまり相関がありませんでした。
この結果を2月の探究発表会で発表して、その後レポートとしてまとめて提出しました。料理のジャンルごとに2種類(和食は「寿司」と「肉じゃが」で、洋食は「ムニエル」と「ハンバーグ」、中華は「シュウマイ」と「回鍋肉」)用意しました。冷凍食品も使いましたが。和・洋・中だけど、そのジャンルの中でもテイストが違うやつを選んだので、結果を比べる上では結構役に立ちました。
~~難しかったこと~~
色を数値化するということも大変でしたが、そこからどうやって分かりやすい方向にまとめていくかということも難しかったです。「アンケートの結果(美味しいと思う人が何票か)」ということと「色相環の角度」を関連付けて相関図にする、という発想がなかなか思いつきませんでした。平均を測る上でどれくらいサンプルを取ればいいのかということも難しかったです。
~~学んだこと・感じたこと~~
自分の単なる興味で突き進んでやったことでも、周りの人がちゃんと見てくれたり評価してくれたりしたのが本当に嬉しかったです。自分は別に誰かの役に立てようと思ってやったわけではないのですが、評価してもらえたということは「これは役に立つ」と思ってくれた方がいらしたのかなと思います。あとは、諦めないことです。最初、2年生の時の探究で「数値的に分析しよう」と全体に言われた時に、担当の先生に相談したら「ちょっと厳しいかもね」と言われて諦めかけていました。「もういいや」という気持ちと「まだやりたい」という気持ちがあったのですが、諦めないで方法を模索して、自分なりの方法を見つけられて良かったです。
~~これからについて~~
今は11月の関西に向けて、班ごとに情報収集をしています。
~~インタビューを終えて~~
2年生の個人探究、森のフィールドワークでの取り組みをうまく活用して、自分のテーマを主体的に掘り下げられたことが、金賞につながったと思います。現在は、関西フィールドワークの準備をしているとのこと。新しい探究の手法を学んでいるところだと思います。これも、4年生以降の個人探究につながっていくと思います。ぜひ今回の経験を次に生かしてほしいと思います。




