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物理チャレンジ2026出場(校長ブログ269)

5年生の日高さんが、物理チャレンジに出場、第1チャレンジ(予選)を突破し、第2チャレンジ(本選)に出場しました。おめでとうございます。大会の様子をインタビューをしました。

 

【物理チャレンジとは】

物理チャレンジ2026(第22回 全国物理コンテスト)は、高校生・中学生の皆さんを主な対象として、 物理の面白さや楽しさを体験してもらうことを目的とする全国規模のコンテストです。翌年に開催される物理オリンピック国際大会の日本代表選手候補者の選考を兼ねています。(物理オリンピック日本委員会HPより)

~~参加のきっかけは?~~

 元々物理や理数系の分野が好きでした。物理チャレンジの存在は知っていて、昨年も挑戦しましたが、音の実験が難しく、第2チャレンジには進めませんでした。今年も再挑戦しようと思って参加しました。自分で色々調べて、千葉大学に「物理チャレンジの第1チャレンジを突破するための講座」があって、昨年も今年もそれに参加したということもきっかけの一つです。

 

~~第1チャレンジ(予選)の様子~~

 第1チャレンジは自宅受験です。2つのコースがあって、総合コースと理論コースがあります。理論コースは問題だけを解くコースで、問題の難易度が総合コースよりも高くて採点も厳しいです。総合コースの方は実験課題のレポート提出と、理論よりは少し簡単な問題を解く形になっています。私は総合コースを選びました。担任の佐々木先生には去年の時にも教えていただいていたので、相談もしやすくて心強かったです。先生に色々教えていただきながら条件などを変えて家で実験をしました。

 今回は「紙バネのバネ定数を求める」という実験で、普通に紙を2枚敷いて上手く折るとバネのようなものができるのですが、それのバネ定数(弾性力・跳ね返る力)を調べるという課題です。 具体的にどういう形状にするか、どう折るか、どう重ねるかなどは、一つ決められている条件以外は全部自由です。最終的な提出物は「こういう場合にこういうバネの力になる」ということをレポートにまとめて提出します。単に結果を出すだけではダメで、「その結果からここはこうなるんじゃないか」という論理的な考察や説明が必要になります。定められたレポートの形式に沿って書かないとそこでも減点されてしまいます。私は「AB」評価と奨励賞をいただいて、第1チャレンジを突破できました。

 終わった後の全体向けの講評のところに、「非線形性などの少し難しいところに触れているけれど、それについて理解できていないレポートが多々あった」というようなことが書かれていたので、変に手を広げなくて良かったと思いました。難しいことに挑戦するのは良いことかもしれませんが、中途半端に書くと返って評価を下げてしまうこともあるみたいです。

~~第2チャレンジ(本選)の様子~~

 第1チャレンジに応募していた約1000人の中から、100人が選ばれました。兵庫県において、3泊4日で第2チャレンジが行われました。テストは最初の初日と2日目だけで、残りの日程は宿泊させていただいた実験施設の見学や、研究者の方々との座談会でした。

 1日目は、実験課題に取り組みます。実験器具がすでに置いてあって、パーテーションで区切られた区画があります。5時間という制限時間内に、その区画の中で立って実験してもいいし、座ってやってもいいという形です。 大きく分けて2問あって、熱力学の実験と力学の実験です。熱力学は、オシロスコープなどの器具を使って「どれだけ熱が上がったか」などを調べる実験でした。力学は10円玉を渡されて、10円玉を衝突させて角度などを測る実験でした。360度の全方位分度器などを使ってやりました。力学の方は一応やった範囲でもあったので、割と喰らいつくことができました。2日目は理論問題(筆記)で、それも5時間です。合計4問をひたすら書く形式です。

 最終的な順位は分からないのですが、自分の点数は通知されます。全体の順位が分からないので100人中のどの位置かははっきり分からないのですが、表彰には届いていなかったので、少し悔しかったです。物理チャレンジの参加者だけの通話サーバーがあるのですが、そこで賞を取った人たちが点数を報告し合っていて、それを見ると「本当にこんな点数取れるの?」というくらいすごい人たちがいました。国際大会に行く人もいるので、本当に上には上がいるんだなと。施設内を一緒に散歩した人にも国際大会の候補がいました。見た目は普通ですが、「物理が好きなんだろうな」という雰囲気が溢れ出ていました。

 

~~大変だったこと~~

 大変だったことは、やはり物理の全範囲を一気に勉強したことです。まだ学校で習っていないところばかりだったので。 あとは、第1チャレンジの実験課題で、最初問題を勘違いしていて1週間くらい無駄にしてしまったことです。第1チャレンジは問題が発表されてから提出までの期間が長いのですが、それでも早めに始めようと思ったら、見誤って全く違う実験をしてしまいました。「おかしい。絶対にこんな結果にならない」と思って見直したら勘違いに気づきました。何とか巻き返して、実質1週間くらいで全部やり直しました。

 他には、第2チャレンジの試験時間の5時間を、どう集中力を切らさないようにできるか、ということです。途中は飲食が自由なので、お腹が空いたり集中が切れそうになった瞬間にラムネを食べたりしてペース配分に気をつけていました。1問だけ「解くために絶対に30分はかかる」という問題があって、そこは時間が足りなくなると判断して割り切って飛ばしました。そういう判断も必要でした。行く途中のバスの中で「何の予習や対策をしてきたか」という話をしていて、高2の人たちが「東大の過去問でやってきた」「東大の過去問、意外といけるよね」みたいな話をしていて(笑)。東大の過去問をやっているようなすごい人たちがゴロゴロいました。

 

~~学んだこと・感じたこと~~

 学んだことは、「科学の甲子園」の校内選抜で落ちたりもしましたが、諦めずに頑張ってやり続ければ実を結ぶこともあるんだな、ということです。 それと、第2チャレンジには女子の参加者がとても少ないのですが(第2チャレンジ100人中、不参加を除いて6〜7人)、その少ない女子同士で「物理チャレンジの女子会」みたいな感じになって話ができたのも良かったです。「あの時の科学オリンピックの問題どう思う?」みたいなマニアックな話題で盛り上がれて、「好きなことをやり続けていると、こういう仲間に出会えるんだな」と感じました。刺激を受けた反面、物理の深い話題でついていけない部分もあったので、「もっと勉強したい」「もっと勉強しなきゃな」と悔しい思いもしました。 3日目の交流イベントで「物理カルタ」をやったのですが、カルタに書かれているマニアックな現象や法則をほとんど説明できるような人がいました。そういう人たちを見て「もっと頑張りたいな」と思いました。それが一番大きな収穫かもしれません。

 

~~今後について~~

 来年も機会があれば物理チャレンジに挑戦したいですし、将来は探究活動でもやっているような物理学の分野に進んで、大学でも物理分野の研究をしたいと考えています。 今は東京大学先端科学技術研究センターの高校生向け研究プログラム(「先端研ユースアカデミー2026」高校生研究員)にも参加させていただいていて、大学院生の方に教えてもらいながら研究を進めています。去年もやらせていただきましたが、来年の3月にも発表会があります。数理系だけでなく福祉系など様々な分野の高校生が参加していて、ポスター発表を行う予定です。

~~インタビューを終えて~~

筆者自身はコテコテの文系で、高校生時代に物理には苦しんだ記憶があります。その物理で、全国の本選に出場するとは、本当にすばらしいことだと感じました。今年度の開智発表会でも、自身の物理に関する探究を発表してくれました。このような大会に出場すると、全国の力ある高校生に出会えて、刺激を得られることがとても大きな意義だと思います。これらの経験が、将来、物理学を研究する上で役に立つことを願っています。