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UWC派遣(校長ブログ70)

 5年生の中里菜緒さんが、2022年度派遣 UWC奨学生の選考試験に合格し、アメリカに留学することになりました。さっそくインタビューを行いました。

【UWCとは】

「UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ、本部:ロンドン)は、世界各国から選抜された高校生を受入れ、教育を通じて国際感覚豊かな人材を養成することを目的とする国際的な民間教育機関です。現在までに、イギリス、カナダ、シンガポール、イタリア、アメリカ、香港、ノルウェー、インド、オランダ等にカレッジ(高校)が開校されています。」<UWC日本協会のHPより>

世界各地にあるUWC各カレッジでは、国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)にのっとったカリキュラムで、国際標準の教育が実施されています。開智では、2016年(アルメニア)、2019年(イギリス)に進学した先輩がいます。

決意の程を語ってくれました。

 ~~UWCに応募したきっかけは?~~

4年生(高校1年生)の夏に、個人的にサマースクールに参加しました。そこにUWC出身者がいて、UWCでの楽しかった経験を教えてもらって興味を持ちました。開智のUWC経験者の先輩方にも色々な情報をいただき、締め切り直前ではありましたが、申し込んでみました。

~~受験に関する体験談を聞かせてください~~

受験にあたっては、開智の先生方や先輩方など、多くの方々の助けをいただきました。先生方による面接練習は大変ためになりました。最初は原稿を作って暗記し、それを話そうとしていましたが、あっさり先生に見抜かれてしまったので、その場で考えて自分の言葉で話すやり方に変えました。1次試験(国語・数学の筆記)をクリアした後、2次試験(日英面接・グループディスカッション)に臨みました。開智の探究で、1年生の頃から、興味関心があることを掘り下げて疑問を見つけ、そしてそれを他者に伝えることに慣れていたので、落ち着いて臨めました。面接でも、グループディスカッションでも、自身の体験談をふまえて、自分の考えを、自分の言葉で伝えたことが評価されたのかもしれません。他の人の意見をよく聞いて協調すると同時に、自分の考えもしっかり伝える、というのは開智で学んだ哲学対話のおかげだと思っています。受験の準備と受験そのものでも、多くのことを経験し、学べました。

~~UWCで学びたいこと~~

将来は、宇宙や食料問題について学ぶことに興味がありますが、せっかく世界中から多様な人が集まるわけですから、大学でそのようなことを学ぶ前提として、世界の食文化や宗教についての知見を深めていきたいです。開智の授業も大好きだったので、もう受けられなくなるのは残念ですし、IBディプロマが取得できるだろうかという不安もありますが、UWCで新しい世界に触れることに、とてもワクワクしています。

~~将来の希望は何ですか?~~

開智の探究では、ずっと宇宙をテーマにしていました。そこから、地球外で食料を生産する方法やそれを地球に持ち込んだ時の問題点、今後予想される地球規模の食料問題の解決、などに関心の対象が広がってきました。具体的にどこの大学で学びたいかはまだ定まっていませんが、工学部で学んで、更に視野を広げたいと思っています。

~~最後に~~

私はもともと心配しがちな性格ではありましたが、せっかくのチャンスなので逃すのはもったいない、今しかできないことに挑戦しよう、挑戦しなければ何も始まらない、と考えて、一歩踏み出すことにしました。私は開智のUWC経験者の先輩に色々と教えていただきました。もし、私の経験が役に立つことがあれば、いつでも協力したいと思います。挑戦の前には、心配なこともたくさんあると思いますが、あまり考えすぎないのも大事だと思っています。

 UWCでは、国際バカロレア(IB)に準拠した学びがなされます。それに選ばれたということは、そこで学ぶにふさわしい人と判断されたということだと思います。開智での学びがそれに役立ったのであれば、私にとってもうれしいことです。一貫部でもIBのDPの認定をめざしていますが、開智の学びとIBの学びの共通点はたくさんあると改めて感じました。

 新しい場所で多くのことを学び、将来の社会貢献に生かしてほしいと、心から思っています。