千葉大学ASCENT PROGRAM(校長ブログ175)
5年生の関根秀真君が、千葉大学ASCENT PROGRAMに参加し、2次選抜まで残って、2月の国際研究発表会で発表をしました。そこに至る経緯とこれからについて、話を聞きました。
【千葉大学ASCENT PROGRAMとは】
「世界を創ろう ~Society 5.0 をリードする~」
千葉大学 ASCENT Program は、「世界をリードする科学技術分野のグローバル理系人財の養成」を目的としています。今、世界の潮流は“情報”や“規則”といったソフトが生み出しています。そしてこれからはじまる Society 5.0 では現実空間と情報空間の有機的な結合によって新たな価値を創造していく力が求められます。必要なのは科学の基礎力、そしてデータサイエンスの素養です。その意識改革の先陣を切る人財、様々な視点から社会をデザインできる科学研究人財を養成します。(募集要項から引用)
【研究の概要】
近年、環境DNA(海や川、土壌などの環境中に存在するDNAの総称)を解析して生物の種や生息数を予測することが多く行われるようになっているが、水中のDNAと比較して堆積物中のDNAの分析はあまり進んでいない。今回、堆積物の含水率がDNA濃度にどのように影響するかを調査した。実験では、ある数値で仮説と大きく異なる結果が得られた。様々な原因が考えられるが、引き続き、含水率とDNA濃度の関係の解明を続けていきたい。(関根君の文章を要約しました)
~~このプログラムに取り組んだきっかけは?~~
3年生の時に、「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト(日本財団「海と日本プロジェクト」の一環)」に参加して、サンゴについて研究したのですが、これがとてもおもしろくて、同じようなことをまたやってみたいと思って、他にないか自分で探してみました。その中でこのプログラムを見つけ、やってみることにしました。
~~研究テーマを決めた経緯~~
まず書類選考があって、活動実績報告書・自己推薦書・自己紹介動画・課題レポートを提出し、無事これをクリアして、40人が1次選抜に進みました。1次選抜は、まずいくつかの講義・実験(対面およびオンライン)に参加し、様々な分野を学びます。その中から15人が2次選抜に進み、自分の研究課題を決め、国際研究発表会で英語で発表する、という流れになります。生物学にとても興味があったので、環境DNAに関する泉賢太郎先生の講義に惹かれ、先生のご指導を仰ぐことに決めました。何とか国際研究発表会までたどりつくことができました。
~~大変だったこと~~
2月に行われた国際研究発表会では、英語で発表することになるので、初めての経験ということもあり、準備が大変でした。どこまでやれば大丈夫なのかがわからなくて、苦労しました。
~~学んだこと、感想など~~
環境DNAについては、表面的な知識はありましたが、今回のことを契機にいろいろなことがわかったので、今後に生かしていきたいと思います。大学の研究室で実験を行う経験はとても刺激的で、おもしろかったです。同時に、大学での実験には厳密さが重要視され、高校の理科の実験とは断然レベルが違いました。研究室の方には、実験中に起きたことはできる限り全て記録していると教えていただき、驚きました。
~~今後について~~
今回の実験は、まだ結果が出ていません。引き続き、千葉大学の先生にお世話になりながら、研究を継続していきたいと思います。将来については、生物学に大変興味を持っています。具体的なところまではまだ絞っていませんが、生態学から分子生物学まで、幅広く検討したいと思っています。生物学オリンピックに去年挑戦し、残念ながら予選で敗れてしまいましたが、今年も挑戦してみたいです。
~~インタビューを終えて~~
関根君は、開智発表会実行委員幹部、科学の甲子園埼玉県予選(筆記の部3位)に関して、校長ブログのインタビューを昨年していたので、本ブログ3回目の登場です。開智の仲間といろんなことに挑戦しつつ、個人でも今回のような挑戦をしていて、とてもすばらしいと思います。近年、多くの大学でこのようなプログラムが開講されています。積極的にチャレンジしてほしいと思います。学校目標は、「創造×解決」に変わりましたが、今までの「外へ、未来へ」への思いは継続しています。引き続き外へ出ていく挑戦を応援していきます。がんばってください!