第30回開智発表会実行委員(校長ブログ270)
9月に第30回開智発表会が開催され、多くの方にご来場いただき、盛況のうちに終了しました。
様々な困難を乗り越えて、開発という大きな行事の企画・運営に向き合ってきた、実行委員会の幹部の生徒たち(5年生:委員長寺中さん、関根さん、小林さん、志賀さん、森さん 4年生:山脇さん、薄井さん)に話を聞きました。
~~テーマ「万碧」に込めた思いとは~~
新しい挑戦をもっと生徒のみんなにしてほしいという思いを込めています。「碧」という漢字には「緑」という意味が含まれていて、緑には「新しいこと」や「若葉」のようなイメージ・意味合いがあります。
そこでこの「碧」を使った言葉で良いものはないかと考えていた時に、「万碧」という、響きもいい言葉を思いつきました。節目となる30回ですが、「終わりではなく新たな始まり」でもあり、先輩方から引き継がれてきたものを引き継ぐという意味も持たせました。
~~今回の開発へのこだわり~~
「学校っぽくない空間にしたい」という思いは内装セクション全員が持っていたので、時間が許す限り多くのものを作れたらと思いました。
外装に関しても、大きさだけが重要というわけではありませんが、これまでで一番大きな構造物を作ろうと思いました。みんなの一体感を出して、全体で楽しもうということを意識していました。
今年から加わった、2年生の実行委員に、「自分たちは参加者ではなく運営する側なんだ」という思いが伝わったらいいなと思いました。
昨年始まった、「教室有志」に関して、今年は「教室有志とは何なのか」という定義を固めて、一般化・普及させたいと思いがありました。
そして、大きいのは後夜祭。一体感を作ること、区切り(始まりと終わり)をしっかりつけること、をめざしました。
一方、対外的な広報にも力を入れました。特に直前期にはInstagramなどで「あと何日」「今はこんな感じです」といった動画投稿を頻繁に行い、多くの人を引き込む工夫ができたと思います。
パンフレットについても、去年までは8ページだったのを今年は20ページに増やしました。コンセプトをうまく組み込んで作ることができたと思います。
開発は、多くの受験生の方々も来てくださるので、楽しんでもらえるような対応や案内に配慮しました。
また、今年は「企画ファースト」を心がけ、企画側のやりたいことを叶えるために全力で応援・協力するスタンスにしました。「どうすればできるか」を一緒に考え、同じ目線で協力し合うことをめざしました。
~~うまくいったこと~~
前日準備で、内装の造形物など作るものが多く、他のセクションから人を借りて作業をしました。
どこに何を設置すればいいか分かっている人が少ない中で、100人近い人をどう動かすかが大変でしたが、結果として時間内に指示を出して間に合わせることができました。
後夜祭の準備でも、4つのセクションから100人規模の実行委員を動員して作業を行いました。途中で予期せぬ対応が必要になる場面もありましたが、実行委員会全体で協力し合った結果、結束が高まったと感じています。
後夜祭に限らず、多くの団体に協力してもらって全体をうまくまとめられたのが良かった点だと思います。
音楽舞台企画において、進行が遅れなかったことも挙げられます。
今年は去年の倍近くの企画数があったにもかかわらず、時間通りに進めることができました。なぜうまくいったかというと、現場で判断できる人を配置し、各場所に必ず1人は常駐するようにしたからです。現場判断で動いてもらい、本当に本部のサポートが必要なことだけを本部に回してもらう仕組みにしました。何でも本部に報告していると対応が滞ってしまいますが、かといって勝手に判断しすぎてもいけません。その結果、予定通りに進行できたので本当に良かったです。
例年時間がかかっていた作業を、今回は1時間ほどで終わらせることができました。パイプなどを使った大型のアトラクションも、無事故で最後まで安全に運営でき、怪我人も出さずに終えられたのは非常に喜ばしいことでした。
~~大変だったこと~~
実行委員会内での仕事の進め方、コミュニケーションや情報共有が難しかったです。組織として指示をする場面で、指示の聞き方や伝え方の難しさを感じました。
9月に入ってから雨が続き、作業時間の確保に苦労しました。昼間は晴れていても夕方の放課後になると雨が降り出し、危険が伴うため作業を中断せざるを得ない場面が多く、先生方と相談しながら進めるのが本当に大変でした。
後夜祭の調整も大変でした。今回は3つの部活動による企画を取り入れたのですが、さらに放送委員会や照明・スポットの関係で演劇部、当日音響を担当する生徒など、合計7団体ほどに同時に指示を出したり調整を行ったりする必要がありました。それぞれの団体に、「見せたいもの」や「強調したいポイント」などの思いがあり、その意向をまとめながら現場を動かすのに苦労しました。
全体のスケジュール管理についても、5月・6月に体育祭や合唱コンクールがあり、先生方との連絡・調整、場所の確保や進行の調整が非常に大変でした。
~~学んだこと~~
まずは人との接し方です。僕は感情が表に出やすいタイプなのですが、「僕が辛い顔をしていたら、現場で頑張っているみんなまで辛い顔になってしまう。だから絶対に常に笑っていよう」と決めていました。頑張ってくれた人に対して「ありがとう」と感謝を伝えることや、「僕はこう思うよ」という考えを言葉にして届けることなど、コミュニケーションの細かい工夫の大切さを学びました。
また、実行委員会を動かすにしても企画を動かすにしても、指示を出す相手を冷めさせたり飽きさせたりしてはいけないと思っていました。そのためにこまめに状況を見に行ったり、直接話を聞きに行ったりと、自分から動いてできるだけ多くの人と接することが、人を動かす上で重要なのだと感じました。
人との関わり方では、「いかに相手を不快にさせないか」を考えさせられました。「それは違うんじゃないか」と思っても、感情的にぶつかるのではなく、今後も一緒に作業を続けていく関係だからこそ、お互いの妥協点や落としどころを探っていく方がうまくいきやすいのだと実感しました。
人の上に立つ責任ある仕事を1年間継続して務めるのは初めての経験でした。指示の出し方やスケジュールの管理はもちろん、人間関係の築き方や、学校・先生方とのやり取りといった組織の仕組みまで、多くのことを学ぶ機会になりました。
そして、何よりも協調性の大切さです。文化祭はチーム全体で作り上げるものなので、誰か特定の1人がずば抜けて優れていても、それだけでは成り立ちません。みんなで協力し合うことがいかに重要か、この1年で深く痛感しました。
~~後輩へのメッセージ~~
自分1人で何もかも抱え込もうとせず、まずは周りのみんなに状況を共有しておくことが大切です。1人で抱えていると、失敗した時に誰もフォローできない状況になってしまうので、周囲とこまめに話をしておくことが大事です。
「見通しを立てて計画的に動くこと」を後輩に伝えたいです。提出期限や外装で使う塗料の耐久性・必要量などを予測しながら計画を出さないと、同じ作業を何度もやり直すことになってしまいます。
僕たちがやってきたことは、単に「発表会を運営する」というよりは「発表会そのものを一から作る」という感覚に近いものでした。開発の内容は年によって変わっていきます。第1回から第30回まで、少しずつ変化を加えて良いものにしてきた歴史があります。第31回を作る4年生や3年生も、過去の良かったところを取り入れ、失敗したところを改善していけばいいと思います。「答えを見つける」のではなく、「答えをつくる」という意識で取り組んでもらえたら嬉しいです。
色々な人に相談しながら、自分のメンタルと体調を一番に大切にしてほしいです。自分が最も楽しめる状態で仕事をしてほしいなと思います。
実行委員であるかどうかに関わらず、人との繋がりをもっと大切にしてほしいです。感謝を伝えることや、どう接すれば相手が元気になってくれるかといった「ハッピーな考え」を持って接してほしいです。僕自身、もともと人に指示を出したり人の上に立ったりするタイプではありませんでしたが、周囲の支えがあったからこそやり遂げることができました。自分に自信がない人でも、ぜひ色々なことにチャレンジしてみてほしいです。
~~第31回開智発表会に向けて~~
今回の課題をしっかり修正した上で、対外的な広報にさらに力を入れていきたいです。準備期間の作業風景などをInstagramやYouTubeといったSNS・動画媒体を通じて発信し、第31回に向けて着実に準備を進めていきたいと考えています。
盛り上がることが好きなので、SNSでの発信などを通してもっと来場者や生徒を楽しませたいですし、みんなが笑顔になれるような開発にしたいです。今年の後夜祭で司会を務めて、歓声がすごくて本当に楽しかったのですが、来年はさらに全員が笑顔になれるような熱量を目指したいです。
~~インタビューを終えて~~
テーマ・コンセプトを決めて、皆で話し合いながら、その実現をめざして様々な工夫をしていく。開智生の得意とするあり方だと思います。「答えを見つける」のではなく、「答えをつくる」という言葉に感動しました。
開校以来、毎年、1年かけて、よりよい開智発表会の実現をめざして、対話を重ね、飛躍を遂げてきました。
30回の経験の蓄積を、来年はさらに大きく発展させていってほしいと思います。お疲れ様でした。
開智発表会の動画もぜひご覧ください。




