学校ブログ

模擬国連国際大会

5月15日の校長ブログでお伝えしたように、本校の高校3年生の2名が模擬国連国際大会に出場しました。

6月20日には今回の国際大会に派遣された代表団の報告会がオンラインで行われました。

 

世界大会ではインド大使を担当。報告会はオンラインで行われました。

世界大会に出場した、高橋さんと福井くんの2人に聞きました。

【国際大会の経験はどのようなものでしたか】

高橋さん:英語という点での言葉の壁は感じました。今までは先生とか分かろうとしてくれる人にしか話していなかった英語が、(英語の)ネイティブスピーカーのしかも高校生に聞いてもらわないといけない、向こうの言うことをこっちも理解しないといけないという点では大変な部分もありました。そうした中でも意外と最後まで自分の思った通りに発言することができて、完璧な英語じゃなくても伝えることが大事なんだとか、不格好でも頑張って最後まで必死で伝えることができたっていうのは、得るものが大きかったんじゃないかなと感じています。

福井くん:高橋さんも言っているように、言語の壁っていうところはすごく大きく感じました。逆に伝える方法っていうのはイラストだったり、いろいろあるっていうのも改めて認識しました。それと同時に言語の壁ってすごく大きいとわかったので、例えば日本国内にも「言語難民」といわれる方がいらっしゃるので、難民や移民の方のお子さんが母国語と日本語の二つの壁に立ちはだかられるといったようなことに関して、自分が(言語の壁を)経験してみることで少し気持ちに寄り添えるというか、理解できるような感じがしました。

【英語で伝えることの重要性を改めて感じたということですが、開智での英語学習について印象的なことを教えてください】

高橋さん:英語の先生に「難しい表現を使うんじゃなくて簡単な表現でどう伝えるのかが大事」と言われてきたことです。簡単な英語でっていうのは今回の会議でも役立ちました。また、(授業でも)問題をじっくり考える時間があることで、英語っていうトピックではなくて言語能力全体が上がった気がしています。

福井くん:英語が好きになるという面では、中学の時に先生のオリジナルプリントで体系的にいろいろな文法事項とか単語をまとめてくださって、最初に学びの道筋を確立できたからこそ英語が好きになれたんだなと思います。

あとは、(模擬国連の)全日本大会の時もそうなんですけど、ネイティブの先生がすごく手伝ってくださって、三つ四つの文でも一時間以上意味を確認してくれたりとか、そういう環境的に恵まれているなという風には本当に思っています。

模擬国連の経験を通して将来への視野も広がったと2人は話します。

【2人のこれからの志望について聞かせて下さい】

高橋さん:私は開智に入る前から、医師になりたいと思ってきました。当時はもちろん診療医、臨床医を考えていました。今回模擬国連を通して、(開智はWHOの会議を担当)保健、医療の中枢で働く人の立場が見えたのは将来を決めるうえでアドバンテージだなと思っています。今までは日本で臨床医として働く、何科(の医師)になろうっていうところから、ちょっと、自分も世界に出ていけるんじゃないかとか、未来の人材の一員になれたんじゃないかと。現場か中枢かっていうのは勉強していきながらこれからの自分が決めればいいことだと思っています。この高校3年間ですごく視野が広がって、本当にWHOに勤めたりとか、日本じゃない国で働いている自分の姿も想像できるようになって、そういうところで活躍できる力を、学力だけじゃなくて、身につけていきたいと思います。

福井くん:私はずっと、多文化共生という分野にすごく興味があって、高校1年生の時にカナダに短期留学をしました。まさにそこで人種の多様性とか言葉の壁とかにぶち当たって、どんな人でもシチズンシップを保ちながら社会の一員として尊ばれる社会をつくりたいという気持ちもそこで芽生えました。それから模擬国連に取り組んでみて、国際的視野であったりを身に着けようと努力したり…。今一番思うのは、留学であれ、私立の中高一貫校に入れていることであれ、すごく自分は恵まれていると思いうことです。一方で、どうすることもできないような状況にある人というのは日本にも世界にもたくさんいらっしゃるので、自分は今までに親とか先生とかそういった人からしてもらったことをきちんと社会に還元していきたいということはすごく強く思っています。将来就きたい具体的な職業っていうのはまだ決まっていないですけど、大学の4年間を通して、どうすれば一番世界に貢献していけるのかっていうところを考えていきたいなと思っています。

2人が、開智に望む事は模擬国連の取り組みが盛んになることだそうです。

今回、お話を聞いて若い世代の頼もしさを強く感じました。私たち大人の世代は、彼らに恥ずかしくないように、この世界のためにできることをもっと真剣に考えていかねばならないのではないでしょうか。

(企画広報)