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「地域の伝承文化に学ぶ」コンテスト入賞(校長ブログ109)

 5年生の小川さんが、國學院大學と高校生新聞社主催の第18回「地域の伝承文化に学ぶ」コンテストの地域民話研究部門で佳作入賞しました。小川さんは、昨年、観光甲子園に出て、準決勝まで進出した時のメンバーです。さっそく話を聞いてみました。

【作品概要】

テーマ:「我孫子と源頼朝の関わり」

我孫子市の子之神大黒天延寿院という寺院には、昔、源頼朝がこの地で足の病気になった折に、頼朝の夢の中に現れた白いネズミがヒイラギの葉でおはらいをしたところ、病気が治ったという言い伝えがある。これをきっかけに、当時の頼朝と千葉、とくに我孫子との関係を現地調査の結果も踏まえてレポートにまとめた。

~~このコンテストに出展したきっかけは?~~

現代文の授業の一環として、「コンテストに応募して受賞を目指す」という、とても面白い課題が出たので、何に出展するか考えました。昨年、学年のホワイトボードにこのコンテストのお知らせが掲示されていたことを思い出し(その掲示の隣に観光甲子園のお知らせが掲示されていました)、今年はこれに挑戦してみようと思いました。テーマを決めたきっかけは、曾祖父のお墓参りで子之神大黒天延寿院に行った時に見つけた、境内の一角にたくさん吊るされている銀色のかねのわらじでした。民話や民俗学についての素養は全くなかったため、コンテストの歴代表彰作品の講評を全て読んで、求められる水準を推測しました。

そもそものきっかけとなった、子之神大黒天延寿院の「かねのわらじ」

~~受賞の理由は?~~

表彰式の際に國學院大學の教授から、身近なことをきっかけに次々と疑問を見つけ、その解決のために自分の足を使って調べたことが評価に値する、とご講評をいただきました。頼朝が我孫子に来た時期を他の史実からも考えてみたり、他の神社でも足痛覗きの祈願を受けていたのかを調査したり、現在の我孫子に伝承されている頼朝伝説についてなど、様々なことを調べました。開智の探究活動で、疑問を見つけ仮説を立てて検証し、その結果新たに生じた疑問に対し、また仮説・検証、というのに慣れていたので、無意識に同じ取り組み方をしてしまいましたが、出展作品の中ではそういう点で目に留めていただけたのかもしれません。

~~得たことと、今後の展望~~

表彰式に出たおかげで、全国から集まった個性的な高校生に出会うことができました。民俗学に徹底的にはまっている人や、絶滅が心配される美濃柴犬の繁殖に成功した人など、普段接する機会が中々ないような方たちに会えたことが、非常に良い経験になりました。地域創生に興味があるのですが、昨年の秋に行った北陸フィールドワーク(英国フィールドワークの代替)の時も、地域の活性化に取り組んでいらっしゃる方々のお話を聞くことができて、考えさせられることがとても多かったです。こういった体験をもとに、地域のあり方についてもっと深く考えていきたいと思っています。

いただいた賞状と盾と共に記念撮影しました。

~~インタビューを終えて~~

外に出てみると、いろんな体験をすることができて、自分の将来のことを考えるきっかけが得られます。情報は足で稼ぐものという考えをもとに、積極的に調査を行ったことは、大変すばらしいことだと思います。本人はあまり意識していなかったようですが、昨年の大河ドラマで取り上げられた時代でもあるので、筆者にはとても親近感を抱くことができました。