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鉄道模型コンテスト2024理事長特別賞(校長ブログ191)

 鉄道研究部が今年も「鉄道模型コンテスト2024」に参加し、見事「理事長特別賞」を受賞しました。おめでとうございます。さっそく鉄道研究部模型班の、松本さん(4年生)・宮本君(3年生)に話を聞いてみました。

 

【制作記から】

〇作品のコンセプト

コンセプトは「日本の夏休み」です。皆さんは、夏休みと聞いてどんな風景を思い浮かべますか。家族と旅行に行く、友達と海に遊びに行くなど、色々なものがあると思います。私たちは、そのような風景を夏の犬吠で見られると考えました。潮風によって錆びてしまった少し古い建物や美しく咲き誇るひまわり、広大な太平洋と灯台を見に来た人々で賑わうこの場所は、幼い頃の夏休みの記憶を彷彿とさせるのではないでしょうか。また、この犬吠は、日中、観光客で賑わい夕方になると人足がまばらになり少し寂しげな雰囲気になります。これは、夏休みが始まったときの期待感や高揚感、そして、夏休み終盤のどこか心淋しくなるあの雰囲気にとても類似していると考えました。

〇こだわりのポイント

犬吠には、国の天然記念物に指定されている1億2000年前の地層があります。その地層を極力実物のものに近づけるため何度も試作を行いましたのでぜひ注目してみてください。

 

~~コンセプトを決めた理由とそのねらいとは?~~

銚子の犬吠を題材にすることは、部員間の議論で2年前に決まっていました。皆で実際に銚子に行ってみて、コンセプトをじっくり考えました。夏休みは海水浴客・観光客で賑わう銚子ですが、普段はやはり高齢化・過疎化の影響でかなり寂しくなっています。その対比を明確にするためにも、「日本の夏休み」というコンセプトにしました。コンテスト当日のプレゼンテーションでもそれをアピールしました。

 

~~コンセプトを模型に体現させるためにどうしましたか?~~

銚子は夏休みには多くの人で賑わいます。観光客が来ていることを、道路を走る自動車の様子で表現しました。また、畑を耕す老夫婦の近くに小さい子どもを配置して、夏休みに祖父母の家を訪れている孫たちを表現しました。久しぶりにおじいちゃん・おばあちゃんに会えて喜ぶ孫たちの気持ちが伝わればいいなと思います。もちろん、夏ですから、ひまわりや海岸などに夏らしさを表しました。模型を見た人が、「日本の夏休み」というものをぱっと理解できるようにしたいと考えました。

 

~~制作過程をふりかえって思うことはありますか?~~

もっと計画的に取り進めればよかったです。計画は立てるには立てたのですが、もっと精度の高い計画を立てた方がよかったと思っています。プレゼンの準備も直前にバタバタして、顧問の先生方にご迷惑をかけてしまいました。

 

~~今後について~~

来年、題材とする場所はもう決まっています。少し遠いので行くのが大変ですが、見る人に我々の思いがすっと伝わるような作品にしたいと思います。部員間のコミュニケーションをさらによくして、皆で協力して作成していきたいと思っています。

模型全景。
再現にこだわった、地層。
犬吠埼の灯台。
当日のプレゼンの様子。
校長室にて。

~~インタビューを終えて~~

毎年のことですが、開智の鉄道研究部の模型班は、コンセプトをどう設定し、それをいかに具体化するかということに、とてもこだわっています。その思いが模型に的確に表現されていると審査員に評価されたのでは、と筆者は勝手に思っています。この模型に刺激されて、筆者自身も夏休みに銚子電鉄に乗って、その雰囲気を味わってきました。すでに来年に向けて、動き始めているようです。鉄道研究部としては、開智発表会でもさまざまな企画に取り組むようです。それも含めて、今後の活躍に期待したいと思います。