全日本高校模擬国連大会出場(校長ブログ103)
9月に第16回全日本高校模擬国連大会の予選会が行われ、開智のチームはそれを突破、11月の本選に出場しました。残念ながら、国際大会に進出することは叶いませんでしたが、本選に出られるのは、270組中の80組だけで、とても立派なことです。本選に出場した二人(5年の根木島君と、4年の井上さん)に予選会と本選の様子をふりかえってもらいました。
【予選会】
テーマ:「グローバリゼーションと相互依存:国際移住と開発」
以前は書類選考で本選出場チームを決定していたが、今年からオンラインで予選会を実施することに変更。20組が一つのグループとなり、決議案を出し、最終的に全会一致で賛成となった場合に、その決議案が採択される。その討議の過程が審査対象となる。公式討議は英語で、非公式討議は日本語(本選も同様)。開智チームは、イギリス大使。
【本選】
テーマ:「多国籍企業及び社会政策に関する 原則の三者宣言」
対面開催。80組がA議場とB議場に分かれて討議する。予選会と同じく、全会一致となった場合に、決議案が採択となる。開智チームは、マレーシア大使。
~~模擬国連で勝ち残るために必要なものは?~~
まず、担当する国の国益を主張することは当然ですが、一方的な主張ではいけません。採択に向けていかに他国と協議し、同じ方向性の大きなグループを形成し、最終的に一つの決議案にまとめていけるかが重要です。一見バラバラな各国の主張から共通点を見出し、連携する国を増やしていく必要があります。主催者から与えられたり、各国から提出された資料を読み取る力、主導権を握りつつ、初対面の人たちの異なる意見を調整しながらまとめていく力、そして、英語で対話し、素早く文章を書き上げていく英語力が必要です。
~~開智チームはどうでしたか?~~
予選会では、膠着状態になった状況を打開するために、二人で手分けして動き、決議案にまとめていくことにある程度貢献できたかなと思っています。本選でも、中南米諸国でまとまっていたグループに他の途上国も糾合して途上国の大きなグループを形成することに関われたと思っています。しかし、何せ参加者は予選会を勝ち抜いた、アピール上手の強者ぞろいで、まるで全員が学級委員で構成された学級会みたいな状況でした。その中で主導権を取るのは相当難しかったのも事実です。世の中にはすごい高校生がいるものだと痛感しました。
~~模擬国連で戦うことに役立ったことは?~~
「ホームルーム委員で培った調整力」「毎回参加したエンパワーメントプログラム(春休みや夏休みの英語プログラム)」「探究テーマで培った資料読み取り、共通点の把握などのリサーチ力」「PDA高校生即興型英語ディベート全国大会(井上さんが出場してベストPOI賞を受賞しました)」「開智発表会のクラス企画を運営していく経験」などです。
~~全体の感想を教えてください~~
根木島君:今までサッカー部の活動と学校行事には一生懸命取り組んできましたが、それ以外の課外活動にはあまり参加してきませんでした。今回初めて経験し、とても大変だったけれど、今まで知らなかった世界に触れることができて、とてもよかったです。世の中にはすごい人がいるのだということがよくわかりました。
井上さん:他校の生徒と接することは、開智の足りないところ、優れているところを知るきっかけになります。いろいろなことを考えさせられるいい経験になったし、友人もできたので、とてもよかったと思っています。
~~今後の目標は?~~
根木島君:そろそろ受験勉強の時期になりました。医師をめざしています。今回の模擬国連で、対話・コミュニケーションの大切さを学びました。将来のチーム医療の実現に役立たせたいと思っています。
井上さん:将来の進路はまだわかりませんが、チームをまとめていく力を身につけていくために、今回のことが役に立つのではと思います。できれば、来年も模擬国連に出てみたいです。
~~インタビューをふりかえって~~
二人は、昨年度国際大会に進んだ20期生の先輩に色々とアドバイスを受けたそうです。そしてその20期生は、18期生の模擬国連経験者の体験談が参加のきっかけになったそうです。開智は、他の模擬国連常連校のように、部活動として継続的に準備しているわけではありませんが、先輩から続いた流れのようなものがあるのは、とても心強いことだと思います。また、開智でのいろんな活動の中で、他者の意見をよく聞き、自分の考えと調整させていく力を身につけているので、それがこういう場面できっと役に立つのだと改めて感じました。