学校ブログ

「大村智賞」受賞(校長ブログ172)

 今年度よりスタートした、開智国際大学による「大村智賞」選考において、3年生の水政文杜君が、見事中学生の部最優秀賞に輝きました。おめでとうございます。ご本人に作品の概要やこれからのことについて、話を聞きました。

 

【大村智賞とは】

開智国際大学は、社会が進歩し、グローバル化が進む中、探究力と英語力は社会貢献にとって欠かせない力になると考え、「未来を創る『国際英語』と『探究型教育』」をスローガンに掲げて教育研究活動に取り組んでいます。開智国際大学では、現在では多くの学校で児童や生徒が行っている探究活動の一層の促進を目指すとともに、社会で起こっているさまざまな問題に対し、真剣に探究し、伝える力をもつ人を称え、支援することを目的に論文を募集します。「大村智賞」とは、開智学園の名誉学園長であり、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智氏にちなんだ賞です。(開智国際大学のHPより)

 

~~受賞作品の内容を教えてください~~

 どうすれば岩槻の地場産業である人形生産が衰退せずに業界を維持できるか、という問題意識のもとに、調査を行いました。大宮で街ゆく人に、そして開智生にもアンケートをとって、岩槻人形の知名度について調査した結果、やはりまだまだ岩槻人形の知名度が高くないということがわかりました。岩槻区では人形の知名度を上げるためのイベントが数多く行われています。五節句のすべてでイベントがあるのは、岩槻だけだと思います。こういったイベントに自分も参加し、岩槻人形のこれからについて、レポートにまとめました。

 

~~大変だったこと~~

 実際に人形店の職人さんの手ほどきを受けて、人形を作成しました。その一つが「受験生応援人形」です(現在、開智の正面玄関ロビーに飾られています)。職人さんはいとも簡単そうに人形を作るのですが、自分がやってみると、とても難しかったです。

 

~~学んだこと~~

 私は千葉県民なので、岩槻人形のことは開智に入るまで知りませんでした。探究で岩槻人形に接し、大いに視野が広がりました。人形生産に携わる人たちの人形にかける熱意に圧倒されました。岩槻にある学校に通う者として、何らかの形で関わることができたらという思いが高くなってきています。日本全体で、大量生産大量消費、薄利多売のビジネスモデルが成り立たなくなって来ており、付加価値の高いものをブランド化してビジネスとして成り立たせるような新しいモデルが必要になっていると思うようになりました。

 

~~今後の方向性~~

 岩槻人形をいかに海外に発信するかについて、考えていきたいと思っています。海外から日本にやってくる外国人にPRするイベントなども企画・提案してみたいと思っています。

 

~~自分の行動については、どんな指針を持っていますか?~~

 「おもしろそうだ」と思ったことについては、まずチャレンジしてみるようにしています。やってみて楽しかったら、その思いを他の人と共有できたら、もっとおもしろくなるだろうと考え、皆に知ってもらうべく行動に移す、というのが自分のパターンです。おもしろそうだと思ってフィールドワークの実行委員になって、行事の運営に携わってみたら、実際におもしろい体験ができました。その経験を生かして今年度は生徒会役員に立候補し、選ばれました。学校行事の運営に生徒会役員として関わることのおもしろさを追求しているところです。

賞状と。
「面相書き」のご指導をいただいています。
完成した人形と記念撮影。
浦和パルコで岩槻フェア(岩槻人形紹介)を行った時の様子。

~~インタビューを終えて~~

 水政君はFDコースに所属しています。これと決めた将来の目標というものは現時点ではないけれど、将来、何か新しいものを創り出したい、それを通して人々が幸せになることに貢献したい、という夢を持っているそうです。学校生活でいろんなことにチャレンジすることが、将来の夢の実現につながっていくことでしょう。高校生になってからの探究の発展にも期待しています。改めて、おめでとうございます。