学校ブログ

体育祭2026②(応援団)(校長ブログ264)

実行委員会に取材した、「体育祭2026①」(校長ブログ261)に続き、今回は、各色の応援団長に話を聞きました。優勝した緑組応援団長 安藤さん、白組団長 松尾さん、青組団長 山田さん、赤組団長 木田さんの4人です。

校長室にて

~~団長になったきっかけは?~~

昨年の応援団の雰囲気がすごく良く、いい人が多かったからです。自分は総合部出身なのですが、中3から合流した時もすごく楽しくて。みんなと過ごすうちに「みんなの先頭に立って引っ張っていきたいな」と思って立候補しました。

 

1〜4年生の時に体育祭を見ていて、高学年(4・5年生)と低学年との熱量に差があると感じたからです。低学年も含め、1〜5年生の全員が同じ熱量を持って体育祭に臨めるようにしたいと思ったので立候補しました。

 

私も総合部から入ってきたのですが、3年生の頃から体を動かすことや人の前に立つことが好きでした。当時クラスに来てくれた応援団の人たちと関わりがあり、4年生になって実際に応援団に入り、ダンスリーダーという役職をやらせてもらいました。 その時、青組の人たちと学年関係なく仲良くなれたんです。今の5年生(26期生)は3年生の時から全ての競技で4位で、すごく悔しい思いをしてきました。「私ならこの人たちと一緒に勝てる、引っ張っていける」という自信があったので立候補しました。

 

出身の小学校6年生の時にも応援団のようなものがあり、そこでも団長をやらせてもらいました。高校に行ってもまたやってみたいとずっと思っていました。中3の時に2つ上の先輩が赤組の団長として5年生(高校2年生)を仕切っている姿を見て、「やっぱり小学校と高校の体育祭は全然違うな」と感じました。その時「絶対に団長になろう」と心に決めました。 それからは赤組の先輩たちとも仲良くさせてもらい、去年は優勝することができました。「来年もこのメンバーや新しく入ってくる1年生と良い思い出を作り、一致団結して1〜5年生全員が関われるような素晴らしい組にしたい」と思って立候補しました。

~~応援団がめざしたもの~~

今回は全色共通で「下級生と仲良くする」という目標があったので、それを前提として1〜3年生も巻き込んでいきました。 応援団のダンス練習をする部屋は、学年ごとに分けるのではなく、4年生と5年生をミックスして教室で練習するなど、できる限り自分たちと同じ学年だけで固まらない工夫をしました。

 

全学年がチームとして仲良く盛り上がれるようにすることを第一に考えました。 「クラス担当」という制度を作り、担任の先生とも連携を取りながら、応援団に入っていない1〜3年生との繋がりをより強くできるように頑張りました。

 

青組は4色の中で一番応援団の人数が少なかったのですが、逆に「全員と喋れるチャンスだ」と捉えました。 ダンスの中に「ペアダンス」といって、2〜3人での掛け合いを取り入れました。それによって先輩・後輩、あるいは初めて話す同級生とも繋がりができるきっかけを作りました。 あとは、クラス担当を積極的にクラスへ行かせたり、「会ったら挨拶をしよう」と声を掛け合ったりしました。幹部としても名前や顔をできるだけ覚えて、廊下で会ったら「ヤッホー!」と声をかけるようにしました。そのおかげで最近は「団長!」と声をかけてもらえるようになり、深まりを感じています。

 

赤組には伝統として、「優笑(ゆうしょう)」が裏目標のような形で存在し、「全学年で楽しんで勝つ」という考え方が受け継がれています。去年の団長からも「これだけは絶対に果たしてくれ」と言われていました。そのために一番大事なのは、やっぱり下級生との交流です。応援団に入っていなくても1〜3年生も組の一員なので、今年から昼休みのレクリエーションなどを取り入れました。 朝の挨拶回りでも改めて自己紹介をしたり、「足速いね!」と話しかけたりしました。廊下で「団長!」と呼ばれた時には積極的にコミュニケーションを取って名前を覚えるようにし、縦の繋がりを強く持って本番に臨みました。

~~大変だったこと~~

本番の2週間前くらい、練習が佳境に入った時期の大変さですね。応援団と部活動が重なって、微妙な雰囲気になってしまいました。そこで僕たち幹部が間に入り、「放課後は最初だけ応援団に出てから部活に行く」「昼休みは絶対に来てもらう」といった調整を行いました。 結果的に関係がこじれることもなく、みんなもしっかりダンスを覚えてくれて、良いパフォーマンスができました。その調整が一番大変でしたね。

 

応援団内での自分の立ち位置に悩みました。意見がぶつかることも何度かありました。結構辛かったです。練習の方針についてなかなか徹底できないということもありました。装飾でペンキが床についてしまって、それを落とすのが大変だったこともありました。

 

大変だったことが2つあります。 1つ目は、これまでの応援団長って「誰が見ても男らしい人」という雰囲気があって、みんなもそういう人がなるものだと思っていました。だから「女団長」という立場が本当に周りから受け入れられるのだろうか、という不安がありました。その自信のなさが裏目に出て、幹部内で揉めてしまったこともありました。「どうやって応援団長としての自覚を持って、自信を立て直すか」という部分が最初の苦しいポイントでした。2つ目は、「リーダーとしての自分」と「個人としての感情」のギャップです。何か問題が起きた時、個人としては「なんで私たちが怒られなきゃいけないんだ」と強い怒りや感情が湧いてくるのですが、それをみんなの前で出してはいけない。感情を押し殺してリーダーとして人前に立つ、という我慢は今まであまり経験したことがありませんでした。自分の感情をコントロールして飲み込みながらみんなの前に立つ、というのが一番大変でした。

 

大変だったのは2点あります。1つ目は、練習に来られない人にどう接するかです。理由を聞くと「最初に練習を休んだせいで周りに置いていかれて恥ずかしくなり、練習に混ざりづらくなった」と言っていました。それなら「じゃあ今日は個別で一緒に練習しようか」と集団に混ざれるようにサポートしました。5年生(高校2年生)は去年の経験があるのでダンスの楽しさを分かっていますが、4年生(高校1年生)はその感覚がまだないので、言葉で「楽しいよ」と伝えるだけでは難しかったです。2つ目は、団長として表に出るようになってからの「周りからの視線」です。普段の登下校や大宮駅などで電車に乗っている時に、以前よりも視線を感じるようになりました。認知されているのは嬉しいことですが、「見られている」と思うと自分の行動に気を遣うようになり、それがちょっとストレスになりました。

~~団長をやって学んだこと~~

応援団って約80人という大人数なのですが、1人いないだけでもフォーメーションなどが本当にうまくいかなくなってしまうんです。「1人いないだけでこんなに崩れてしまうんだ」と、一人ひとりの繋がりや存在の大切さを実感しました。

 

1つ上の代の団長から「細かいことにいちいち怒るな」と言われていたのですが、やっぱり自分の中で1本「芯」を持つことが大切だと学びました。「1〜5年生の全員が同じ熱量で体育祭に取り組む」という芯はブレさせずに、そこに沿わないようなことがあればしっかり伝えるようにしていました。

 

私は「我慢」の二文字です。私は元々マインドコントロールが苦手で、「なんでこうなるんだ」「なんで私だけ怒られるんだ」と苦しかったことがたくさんありました。 でも、それをグッとこらえる。悔しかったり悲しかったりする時は、みんなのいない場所で吐き出すようにしていました。話を聞いて支えてくださった先生方もいましたし、オンとオフの切り替えをしっかり意識しました。 自分をコントロールして我慢すべき時は我慢するというバランス感覚が身についたのは、私にとってすごく大きな成長だったと思います。

 

トラブルがあった時に、団長という立場上、真っ先に相談が来ますし、怒られる時も責任者として対応しなければいけません。自分自身が起こしたトラブルではなくても責任を引き受ける必要があり、正直メンタル的に不安定になったり、ストレスを感じたりすることも多かったです。 でも、そんな時に団員のみんなにすごく支えられました。下級生たちともコミュニケーションが増え、当日は負けた悔しさもありましたが、泣いてしまうくらい感動しました。赤組という100人以上のメンバーに囲まれて、みんなを牽引するポジションで活動できたことは、自分にとって本当に大きかったと感じています。

~~後輩たちへのメッセージ~~

幹部になりたい人には、幹部になるために媚びを売ったりするのではなく、「みんなから愛され、信頼される人」になってほしいです。応援団で勝つことも大事ですが、一番大事なのは「良い思い出にすること」です。 今年の緑組は「優勝する楽しさ」も「思い出に残る最高の体育祭」も両方経験できたので、負けても良い思い出になるし、勝てば最高の楽しさを味わえるということを伝えられたと思います。来年もきっと良い体育祭にしてくれると信じています。

 

体育祭に参加する生徒一人ひとりが「主役」だと思います。みんなで作り上げるものではありますが、個人として楽しむことが一番大切です。一人ひとりが体育祭を終えた時に「楽しかった」「やり切った」「来年はもっと盛り上げたい」と思ってもらえたら嬉しいです。

 

私は今年、「人に頼ることの重要性」に気づきました。団長は「引っ張る立場だから頼っちゃダメだ」と思いがちなのですが、最上級生としての期待やプレッシャーが大きい中で、「自分が全部やらなきゃ」と一人で抱え込みすぎないでほしいです。 仲間がいるからこその体育祭なので、もっと周囲を頼ることを覚えてほしいと思います。頼ればみんな絶対に協力してくれますし、コミュニケーションを取ることで熱い思いも伝わっていきます。みんなで「優勝」という1つの目標に向かってフォーカスしていってほしいなと願っています。

 

赤組の裏目標である「優笑」(=勝っても負けても最後は全員が笑って終わる)という伝統を大切にしてほしいです。 幹部選挙の時点から、正面から正々堂々と挑んでほしいと思います。そうやって勝ち取った立場なら、他の学年からもすぐに信頼されて、自ずと結束力の強い組になるはずです。 団長という特別な役割だからこそ、普段からの人間関係や信頼関係がとても大事になります。みんなとしっかりコミュニケーションを取って、仲良く進めていってほしいと思います。

~~インタビューを終えて~~

それぞれが真摯な思いを持って団長の役割を果たそうとしていたのだということが窺え、感動しました。3年生以降は色を固定する形にしてからだいぶ経ちますが、色ごとの個性が代々受け継がれているということを感じます。様々な困難に直面しながらも、皆で話し合って解決に持っていく開智生の特徴が、応援団にも、実行委員にも、如実に表れていると思います。今年度の経験が、来年度の体育祭につながることを願っています。