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浜松やらまいか文学賞(校長ブログ173)

 5年生の新井瑛斗君が、「浜松文芸フォーラム第2回浜松やらまいか文学賞」に応募し、佳作を受賞しました。おめでとうございます。さっそく話を聞きました。

 

【浜松やらまいか文学賞とは】

市民団体:浜松文芸フォーラムが主催の文学賞。高校生による、400字詰め原稿用紙20~30枚の小説が対象。「やらまいか」は浜松地方の方言で、「やろうじゃないか」という意味。

 

~~応募したきっかけは?~~

現代文の樋口先生から紹介されました。本を読むのが好きで、時々小説も書いていましたので、せっかくだから応募してみようと思いました。

 

~~小説の内容を教えてください~~

証券会社に勤めてはいるが、とくに将来の目標が定まっていない、30歳の男性が主人公です。その男性がふらっと京都を旅したことで、ある事件に関わることになり、その後の人生の目標を得るに至る、というストーリーです。歴史の本が好きで、安倍晴明のことを調べていた時に、京都を旅する男性、というイメージを思いつきました。

 

~~こだわりのポイントは?~~

伏線構築とキャラクター設定を丁寧に行いました。年長の方と話をするのが割と好きなこともあり、30歳の大人の人がどのような感じなのか、何となくわかるので、それなりにリアリティは追求できたと思っています。友人からは、「おじさんっぽい」と言われることもあります。それが生きたのかもしれません。

 

~~感じたこと~~

受賞できたのは、素直にうれしいですが、実力はまだまだです。小説を書く上では、自分とは違う人の観点に立つことが必要です。普段は自分の観点で物事を見るのがあたりまえになっているので、このような経験はとても刺激的でした。

 

~~これからについて~~

中学生になって、親戚から本をプレゼントしてもらって以来、本を読むことのおもしろさに気づきました。作家になるのもいいなと思いますが、それ以上に、編集者になりたいという思いの方が強いです。力のある編集者になるためには、作家という立場も経験しておきたいと思うので、これからも小説は書いていきたいと思っています。大学では文学を学び、それを通して自分の人生を切り拓いていきたいと考えています。

「第2回浜松やらまいか文学賞」
校長室にて。

~~インタビューを終えて~~

別の人の視点にあえて立って、世界がどのように見えるのか考えることは、まるで思考実験をしているようで、とても興味深く感じました。10代の少年が30代の男性の思いを想像することは、けっして簡単ではないと思いますが、あえて挑戦するその姿勢に感服しました。好きなことをどんどん追求していくことは、大きな成長につながります。開智生は多様だなあと改めて感じました。開智生の将来の夢の実現をこれからも応援していきたいと思います。