数学オリンピック(校長ブログ121)
仲間で協力しながら数学オリンピックに挑戦した5年生に、体験談を聞きました。小笠原君、井澤君、上澤君の3人です。小笠原君は見事予選を突破し、本選に出場しました。
~~数学オリンピック対策とは?~~
基本的に過去問演習です。問題集を活用しました。解くのは個人ですが、仲間と解法について話し合うことをよく行いました。これが刺激になってよかったです。また、「オンラインマスコンテスト(毎週2回程度オンラインで無償開催される「競技数学」のコンテスト)も積極的に活用しました。
~~予選の雰囲気は?~~
会場によって雰囲気が異なるようです。予選(3時間)も本選(4時間)もひたすら問題を解くだけなので、模試を受けに行くのと変わりはないのですが、東京会場には、昨年度本選を突破した人たちがたくさんいて、オーラを発していました。
~~昨年度本選を突破した人たちとの接点は?~~
数学オリンピック財団主催の夏季セミナーというものがあります。昨年度本選を突破し、代表選考合宿に参加した人に加えて、数学に関するレポートを提出して選考をパスした人が対象となります。無事選考をクリアして参加することができました。8月の後半に、6泊7日の泊まり込みで山梨県に合宿し、ひたすら数学(ほぼ大学で習う内容)について、学び、話し合いました。大学の先生やチューターの学生さんと密度の濃い時間を過ごすことができました。全国から集まった数学オリンピックの強者達と交流できたのは、とても刺激になりました。また、数学について考えることの楽しさ、深さ、難しさを痛感しました。
(全国の名だたる学校の生徒が23名集まりましたが、そのうち、開智生が2人、開智未来生が1人、と開智学園グループの生徒もがんばりました)
~~数学オリンピックの大変さ・すばらしさとは?~~
解答時間が長いので、考え続けられる体力が必要であること、部分点がないので、ミスが命取りとなること、得意分野というだけで取りかかると、落とし穴にはまってしまう恐れがあるので、どの問題に手を付けるか、冷静な見極めが必要であること、といったことが、大変でしたが、受験数学とは異なる、競技数学というものの深さを体験できました。数学的な思考力が鍛えられるいい体験だったと思います。また、同年代の数学好きの人たちと対面・SNS共につながれたことは、刺激を得られて、とても参考になりました。
~~数学の面白さとは?~~
見たこともない問題に必死に取り組み、過去に解いたことがある問題と少しでも似ている部分があればそこから類推し、とことん考え抜いた上で、正解に至った時の達成感は何事にも代えられません。trial & errorを重ねて考え続けること自体、とても楽しいです。errorとなってしまったとしても、そのerrorが次の着想のきっかけになることもあるので、error自体とても大切なことだと思います。
~~数学オリンピックをめざす人へのメッセージ~~
準備を始めるのは、早ければ早いほどいいと思います。同じように数学オリンピックをめざす仲間と刺激しあったり励まし合ったりすることが大事です。数学オリンピックは情報戦の側面もあるので、外へ外へ意識を向けることも大事です。
~~今後について~~
大学では数学を学んでみたいと考えています(3人とも)。開智の数学の先生方には、日々多くの刺激をいただいていて、数学をさらに学ぶことへの挑戦心をかき立てられています。
~~インタビューを終えて~~
話していて、数学愛が高いことがひしひしと伝わってきました。4月以降、これから数学オリンピックをめざす後輩達とのミーティングの開催を提案したところ、快諾してくれました。「仲間と協力して目標達成をめざす」姿勢がとても強いので、たのもしく感じました。後輩達への刺激にもなることと思います。これからも応援していきたいと思います。
今年度中の本ブログの更新は、今日が最後です。新年度も生徒の活躍をお知らせしていきますので、引き続きご愛読のほど、よろしくお願いいたします。