保護者会講演会+卒業生インタビュー⑧(校長ブログ166)
恒例の保護者会(くすのき会)主催の講演会が、1月27日に開催されました。久しぶりの対面実施の講演会です。9期(2011年)卒業生の才木玲佳さんに、「囚われない生き方ー私的キャリア論ー」というテーマで、開智生のころ、筋肉アイドルとしてのご活躍、これからのことについて、じっくりお話しいただくことができました。たとえ「もったいない」と言われても、自分は自分の道を貫く、という言葉にとても感銘を受けました。ありがとうございました。終了後、お話を聞きました。
【才木玲佳さんプロフィール】
慶應義塾大学在学中にアイドルグループ「Cheer♡1」に加入。2016年にプロレスデビューを飾り、筋肉アイドルとして活動の幅を広げる。東京女子プロレスで「第4代TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス王座」「第3代TOKYOプリンセスタッグ王座」を獲得するなど活躍したが、2019年8月に試合中に顎を骨折。2020年にボディビルに挑戦し、話題を呼んだ。2022年春に”筋肉卒業”を表明し、プロレスからも引退。タレントとして第二のスタートを切った。現在は、テレ玉「いまドキッ!埼玉」、TOKYO MX「ええじゃない課Biz」にレギュラー出演する他、久喜市くき親善大使も務めている。
~~芸能界入り、女子プロレス選手、ボディビル、クイズ等、“ありがちな”人生とは異なる人生を歩んできましたが、どのように自分の進路を決定して来ましたか?~~
「自分がやりたいと思うこと、熱量があることをやる」という方針でやって来ました。「おもしろそう!やってみよう!」という感じで、思い立ったら即行動です。悩んだときなどは友達や知人の話を聞くことももちろんありますが、最終的には自分が納得して決断しています。多様性の時代ですし、生き方を押しつけるのも、押しつけられるのも好きではないです。あくまで、自分の心に正直に生きています。
~~とは言っても、自分の選択に迷ったり、不安になったりすることはありませんか?~~
何事もやってみないことにはわからないですし、不安よりも「おもしろそう」という気持ちが上回ることの方が多いです。
~~おもしろそうと思っても、自分の力がなかなか追いつかない、ということはありませんか?~~
それはあります。歌、ダンス、水泳、ヨガ、ピラティス、エレクトーン、ちぎり絵、など始めたけれど続かなかったことも結構ありました。ですが、やってみて初めて、自分に合う・合わないや、得意・不得意がわかるので、どんなことも無駄ではないと思っています。
~~目標を立てて計画的に取り組むタイプですか、それとも、まず飛び込んでみて、必要に応じ修正していくタイプですか?~~
やってみたいと思ったら、とりあえずやってみる。その時点では失敗のことはあまり考えません。やってみて、すごく好きになれば、もっとやりたいというふうになり、そうしているうちに目標が見つかり、その目標をどうすれば達成できるか、逆算して取り組むことを決める、という感じです。最近は、ある程度先のことを考えて、必要なことをやっていこうというやり方もするようになってきました。いろんな経験を積んできたからかもしれません。宅建の資格を取得したり、プログラミングを勉強したり。将来を見据えて、現在のお仕事に囚われず可能性の幅を広げようという意識を持っています。
〜〜才木さんはいろいろな方との出会いを大切にされていると感じましたが、人との出会いについて心がけていることは?〜〜
確かに人との出会いは大切だと思っています。テクニック的なものではなくて、常に全力投球していると、その様子を見てくれる人がいて、新しい仕事への道が開けるということがよくあります。人生、いろいろなことが意外なところにつながっていると感じます。
~~開智に帰ってきて感じたことは?~~
お世話になった先生方に会えたことが、とてもうれしかったです。また、開智時代に8期生の先輩たちと作った有志ダンスユニット「DA☆さいたまありす」が、今でも続いていることにびっくりするとともに、とてもうれしい気持ちでいっぱいになりました。「DA☆さいたまありす」も、体育祭の応援団のダンスリーダーも、ともに思い入れを持って取り組んだので、今でも続いていると聞いて、感慨深いです。
~~開智生へのメッセージをお願いします~~
人生を考えるにあたっては、自分の気持ちを大事にしてほしいと思います。自分の心が納得しているかどうか。他人の言う通りにしてばかりいると、うまくいかなかった時に、ついその人のせいにしてしまうと思います。そうではなく、自分の決断に責任をもつこと。自分の人生は、他の誰でもなく、自分が生きるという強い気持ちを持ってもらえるといいなと思います。
”Be the best you can be.” これは学年主任の先生が、卒業アルバムの見開きのページに書いてくれた言葉で、私の座右の銘です。開智生の皆さんも、自分らしい人生を送ってください。
~~インタビューを終えて~~
〜だからもったいない、という常識に囚われず、常に自分の思いに忠実にチャレンジする姿勢に心を打たれました。「おもしろそうだから、とりあえずやってみる」という言葉から感じ取れるような軽いイメージとは裏腹に、文字通り血のにじむような努力をして来たことが垣間見えて、感動しました。開智を卒業した生徒が社会で活躍する姿に触れるのは、保護者にとっても、教員にとっても、いろいろなことを考える契機になります。この機会を作ってくださった保護者会の皆様に感謝するとともに、才木さんの一層のご活躍を祈念します。ありがとうございました。