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第10回全国中高教育模擬国連大会 (AJEMUN)参加(校長ブログ271)

一貫部の3年生(小林さん、林さん)が、本校の中学生としては初めて、第10回全国中高教育模擬国連大会 (AJEMUN)に参加しました。慣れないこともたくさんあって、賞をいただくことはできませんでしたが、今後につながる貴重な経験をすることができました。インタビューをして、ふりかえってもらいました。

 

【全国中高教育模擬国連大会 (AJEMUN)とは】

「全日本高校模擬国連大会」と異なる点は、日本語で行うこと、運営が高校生によって行われること(「高校生の、高校生による、高校生のための模擬国連」)。それ以外は、同じ。あらかじめ割り当てられた国の代表として、実際の国連と同じように議論、交渉、決議の採択を行う。今回の議題は、「国際刑事裁判所改革」。中学生も参加できる。

 

~~参加したきっかけと、当日に向けて~~

 一昨年に兄(26期生)がAJEMUNに参加してパートナーの方と楽しそうにしているのを見て、自分もやってみたいと思ったのがきっかけです。人生経験としてすごく良い機会だと思ったので参加しようと思いました。事前の課題が決まっていて、今回は国際刑事裁判所(ICC)についての話題でした。それに関する事前の情報を2人で手分けして調べて、話し合いました。あとは会議の進行の雰囲気や進み方、置いていかれないようにするにはどうすればいいかというのも、26期の先輩方を通じて教わりました。雰囲気や「事前にこういった準備をした方がいいよ」ということを教えてもらいました。

 担当した国は、ベネズエラです。ニュースなどで紛争や地震など、大変な状況にある国だということは知っていました。主催者側から課題として『自分の国の立場を事前に決めよう』というシートが送られてきたので、それに沿って調べました。

 

~~当日の様子~~

 ベネズエラ自体、内乱や独裁政権などの課題を抱えていて、立場を示すのが結構難しかったです。当日は南アメリカ地域の国々で似たような状況のところが多かったので、それらの国々とグループを作って話し合っていきました。アンモデ(アンモデレート・コーカス:着席形式を離れて自由に交渉・発言できる時間)の時に、同じような主張の国で集まってワーキングペーパー(草案)を作る作業がありました。その中で印象に残っているのは、誰もが自国の利益を優先しようと奮闘している中でも、他国に対してしっかりと敬意を払っている姿です。最初は自国の主張ばかりをぶつけ合うイメージを持っていたのですが、実際は他国のことも考えながら動いていて、それがすごく印象的でした。議場としての1つの決議を出すことを目標に進めます。似た立場を持つグループとして1つの大きな声となり、決議案に反映させることができました。

 

~~大変だったこと~~

 1日目のスタートダッシュで少し出遅れてしまったことです。会議は2日間あったのですが、初日のメモ回し(議場内で他国とメッセージをやり取りする仕組み)で、出遅れてしまいました。僕たちは、メモ回しは会議が進む中で徐々に使い始める伝達手段だと思っていたのですが、実際は違っていました。アンモデの際に自分たちの主張を通すため、事前に自分たちと意見が合いそうな国をリサーチしておいて、「アンモデの際集まりませんか?」「考えが近いので一緒に協力しませんか?」という交渉の申し入れを、会議の最初からメモに書いて投函箱に入れていた国が多くありました。ポジションペーパー(各国の立場を示した文書)は事前に全体へ公開されているので、それを見て「この国とは組めそうだな」という相手に、最初からメッセージを送っていたみたいです。そこは知らなかったので、出遅れてしまいました。

 ポジションペーパーを作る事前準備の段階も難しかったです。自国の利益を通すためには、まず自分たちの置かれた状況を深く知る必要があり、それを読む人に分かるよう文章化しなければなりません。本番の1ヶ月ほど前に担当国がベネズエラに決まったのですが、単にネットで調べた情報を書くのではなく、その後の議論で自分たちが動きやすいようなポジションペーパーにする必要があったので苦労しました。

 あとは、他の国の人たちも自国の主張を通したいと思っており、折り合いをつけるのが難しかったです。最終的に決議案を採択するには全体(参加国)の3分の2以上の賛成が必要になります。自分たちの考えを説明しつつ、「ここを修正してほしい」「ここは協力できる」といった要求の調整や折り合いをつけるのが大変でした。初対面の人たちと協議して合意形成を図ることの難しさを感じました。

 

~~うまくいったこと~~

グループにいる人たちの意見をまとめることができたかなと思います。1つのグループに10カ国くらい集まります。最初から割り当てられているわけではなく、だんだん意見の近い国同士がくっついて、10カ国ほどのグループになります。「ここの文章はこうだから修正してほしい」「自分の国はこういう立場だから」といった主張をまとめる部分で、僕たちが成果を出せたと思います。中心とまではいかなくても、しっかりと発言して自国の国益を主張することはできました。「外交官」という役割をやっていたのですが、グループごとに分かれていても最終的には1つの決議案にまとめなければならないので、グループ間の調整が必要です。「僕たちの案にも賛成してくれませんか?」と他のグループへ交渉しに行く役目を担ったのですが、それが個人的にはうまく機能したと感じています。

 

~~学んだこと~~

練習量の差が出たかなと感じました。模擬国連を部活動として日常的に取り組んでいる学校はやはり慣れていました。僕たちが戸惑った最初のメモ回しなどの動きも、すごくスピーディーにこなしていました。そういった慣れている人たちが主導権を握ってグループを引っ張っていき、まとめる役割をきちんとこなしていました。自国の利益を主張するのはもちろんですが、それをまとめつつ、一見違う意見に見えても「こういう風に考えると共通点がありますよね。一緒に組みましょう」と落としどころを見つけて仕切る力が一番のポイントなんだと学びました。

 

~~今後について~~

来年も出たいです。僕たちは自国のことや他国のポジションペーパーを調べて満足してしまっていたのですが、強い学校はそこから先の「決議案の着地点」まで最初から予想して動いていました。自分としては、もっと最初から議論に入り込めていれば、さらに上手く展開できたのではないかと思います。初参加で初対面ということもあり、最初は「様子を見てみよう」と遠慮してしまった部分があったので、最初から積極的に自分を出していくべきだったのが反省点です。周りを見る「観察力」がすごいなと思う人がいました。僕たちのような初参加のチームに対しても分け隔てなく接してくれて、発言しやすいように気配りをしてくれました。その慣れた立ち振る舞いを見て、中1や中2の頃から経験を積んでいるのかなと感じました。僕が担当した外交官の動きでも、他国の外交官は自分と話しながらも議場全体の動きを常に観察していて、「次にどう動くか」を先読みしながら行動していました。そういった観察力や先を読む力は、これから身につけていきたいです。

現地にて
校長室にて

~~インタビューを終えて~~

友達から誘われた、先輩から教えてもらった、という開智らしい展開がとても印象的でした。何事も経験から。まずは「よし、やってみよう」という精神が大事です。思うようにいかなかった経験も、必ず将来につながります。多くの人と対話を通して、何かを創り上げていくという活動は、開智生が得意とするところです。ぜひ来年も挑戦してほしいと思います。