学校ブログ

WSC出場②(ソウルラウンド編)(校長ブログ272)

WSC(World Schlorship’s Cup 校長ブログ262参照)の国内予選を突破した、5年生チーム(永野さん、野田さん、福島さん)と4年生チーム(舟山さん、朝見さん、藤田さん、豊田さん)は、見事、ソウルラウンドを突破しました。おめでとうございます。中学生の部に参加していた総合部チームも、ファイナルラウンド進出を決めました。ソウルラウンドの様子や、ファイナルラウンド(@アメリカ)に向けての抱負を聞きました。

 

~~ソウルラウンドに向けての準備~~

・競技内容・課題は、東京ラウンドと変わらないので、特別な準備をしたわけではありません。ただ、ディベートのやり方は少し変えました。東京ラウンドの時は、最初にテーマから入って、内容を喋って、反論想定をするという流れでした。東京ラウンドでの経験や反省を踏まえて、ソウルでは内容にいきなり入る前に、ちょっとした小話というか、つかみ(落語でいう枕のようなもの)をまず入れるようにしました。そこから本題に入って、さらに反論想定も1個だけだったものを2個に増やしたりして、色々と工夫して喋るようにしました。東京ラウンドのディベートが終わった後に、相手同士でフィードバックをし合う時間があるのですが、その時に「つかみを入れた方がいいんじゃない?」というアドバイスをもらって、補完した方がいいなと気づきました。

・5年生はイギリスフィールドワークがあって、4年生とスケジュールが異なり、なかなか全員で集まれませんでしたが、その間、AI相手に議論の練習をしたりしました。全員で集まった時は、ディベートの実戦練習をしました。後は、カリキュラムの復習を各自で行いました。

 

~~現地での様子~~

・競技自体は同じですが、それ以外のイベントが増えました。まず2日目にあったのが「スカベンジャーハンティング」です。他校の人とランダムにチームが組まれて、そのグループで大学のキャンパス内を探検しながら親睦を深めようという企画です。韓国、香港、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ケニアなど、様々な国から来ている人たちが10人くらい集まって一つのチームになりました。男女も国も関係なく集められます。共通言語は英語のみという環境でした。他校の人と関わる機会として、良いきっかけになりました。グループ内でこなすミッションのようなものがあって、それを進めていくのですが、みんなで協力する中で「これやろう」「あれやろう」と自然と引っ張っていく人やリーダーシップを取る人が出てきます。私も流れでリーダーの役割をやりました。話す内容は日常的な会話も多くて、ミッションの中に「自分の好きな本について図書館の前で話す」といったものがありました。そこを切り口にして趣味の話などを広げていきました。例えば「自分はIBコース(国際バカロレア)を受講している」と話すと、海外の子たちはすぐ分かってくれて、「IB大変でしょ? 」という感じで盛り上がりました。日本の学生というよりは、国際的な学生として会話をする機会がすごく増えましたね。

・あとは「カルチャーフェア」です。文化交流のようなイベントで、各国からの有志がブースを出して、そこを自由に回るというものです。出している側も回る側も全員が大会の参加者です。個人的に印象的だったのは、アフリカのどこかの国のブースで、よく分からないお菓子やすごくインパクトのある飲み物を試したことです。めっちゃ苦い飲み物を飲まされて(笑)。どこの国だったか忘れちゃいましたが、「これが私たちの国の伝統的なお茶やコーヒーみたいなものだけど、トライしてみる?」と言われて、「ちょっときついな」と思いながらもすごく楽しかったです。普段なかなか触れられない他国の文化を知ることができました。自分たちは今回は参加する側だったので、次のアメリカでは有志としてブースを出そうかなと考えています。総合部のチームにも声をかけて、「チーム開智」としてブースを出して、日本と開智のことをアピールしてくるつもりです。

・ディベートに関しては東京と同じようなタイムスケジュールとルールで進みました。ただ、対戦相手の文化の違いを感じました。インドネシアのチームと対戦したのですが、あちらの選手は感情を全面に出してアピールしてきます。日本人はどちらかというと論理的・合理的に冷静に進めようとすることが多いのですが、感情を前面に押し出して喋る熱量とのギャップが大きくて、個人的にはすごくびっくりしました。怒っているわけではないのですが、大きな声で熱意を持って喋ってきます。そういう熱量の高いスタイルにはあまり慣れていなかったので、最初はちょっとびっくりしました。英語力というよりも、英語でうまく自分の意見を伝えるかという点での重要性がさらに上がったなと感じました。東京ラウンドでは、普段は日本語で喋るが「英語も喋れますよ」という人たちと、英語をメインに使っている人たちが混ざっているという感じでした。でもソウルラウンドでは、みんな日常的に英語を使っていて、ネイティブレベルの子ばかりでした。その中できちんとディベートができたというのは、とても自信になりました。

・私は東京とソウルでそこまで大きな違いは感じなかったのですが…そういえば、韓国に行くときにお土産で「巨大な鉛筆」を買ったんです。これくらいの大きさの(ジェスチャー)。面白そうと思って買って、それを使ってディベートのメモを取っていたら、相手から「その巨大な鉛筆面白いね!」と言われて和みました。何をやっても受け入れてくれるような、厳格すぎず楽しむことを大切にする雰囲気がありました。

 

~~ソウルラウンドで出会った、「すごい人」~~

・僕がパッと思い浮かぶのは、スカベンジャーハンティングで一緒になった韓国人の3人チームのうちの1人です。年下だと聞いてびっくりしたのですが、とにかくすごい。英語の上手さはもちろん、話し方や思考の回転が早くて。話している時の論理展開というか、会話の組み立てがすごく早くて、話題がどんどん展開していくんです。高速で頭が回転して言葉に出てくるので、ついていくのが大変でした。話を聞いてみたら、1回戦でもかなりの好成績を収めていました。「ディベートで当たりたくないな」と思っていたら案の定当たってしまって、ブワーッと圧倒されました。完全に論理的で頭の回転が速いタイプでした。

・どの種目でも常に1位に名前が載っていた人がいました。表彰式の順位発表で、ニューヨークから来ていたアメリカチームの人なんですけど、知識もあってディベート力もあって、本当に全部の種目で1番上に名前がありました。ディベートが終わった後に「上手な人の模範ディベート」を舞台上で見る時間があったのですが、その人たちの情熱と喋るスピードがすごくて圧倒されました。「そりゃそうだよね」と自然に納得させられるような力がありました。

・「スカラ・ショー(タレントショー)」という特技披露のイベントで、バイオリンを持ってきた日本人の子がすごく気に入られていて、表彰式の時も「あなたたち、ずっと横で演奏してなさい」と言われて、ずっとBGMとしてアンコール演奏をして大人気になっていました(笑)。

・嬉しかったのは、英語で歌っている人がいたのですが、その人が日本の曲を歌ってくれたことです。インドネシアやタイなどのアジア圏の人だと思うのですが、日本人ではない人が日本語の曲を歌って、会場全体がすごく盛り上がっているのを見て、すごく嬉しくなりました。

 

~~ファイナルラウンドに向けて~~

・僕は今回が最後の大会になります。ソウルラウンドの時は「ファイナルラウンドに行くこと」が目的としてありましたが、今回それが実現できたので、次はまずはメダルをしっかり狙いたいです。まだ勉強が追いついていないので、ここから追い上げて悔いのないようにやり切りたいです。それと、競技面だけでなく、ソウルではあまり友達を作れなかったので、今度は積極的に話しかけて世界中に知り合いを作りたいです。

・私はソウルラウンドを通じて、自分自身をアピールする力がとても大切なんだと気づきました。今回はカルチャーフェアでブースを出そうと考えているので、もっと強い絆やインパクトのある思い出を作りたいです。日本のお菓子や文化を持っていって、一気に友達を作りたいなと思っています。競技面では、日本語で喋ることは得意なのですが、英語に変換する部分がどうしても苦手なので、そこを克服して今後に活かしたいです。

・私はソウルラウンドの時、ファイナルに行くことばかり考えていて、交流の時間もずっと一人で問題を読んだり勉強したりしていたんです。そのため友達があまり作れず、楽しかったけれど「もっと自分から攻めていけばよかった」と後悔しました。だから今回は準備万端の状態で臨んで、純粋に交流も楽しみたいです。カルチャーフェアでは、地域の名産である「岩槻人形」を展示して、世界に「岩槻」の名を広めたいと思っています!

・私はグローバルラウンドで新しいチーム編成になってから2ヶ月くらい練習したのですが、個人とチームのメダルのうち、全員で取るチームメダルが1個しか獲れませんでした。だからファイナルラウンドではもっとチームワークを強くして、グループでのメダルを2個以上取りたいと思っています。

~~インタビューを終えて~~

 国内予選の時に、帰国子女の多い他チームの英語力に最初は圧倒されていた開智生チームが、その状況にめげず、他者の意見を聞きつつ、自分たちの意見を伝える対話力を武器に、日々進化を続けて行く姿が窺えて、とてもたのもしく思いました。以前、開智のディベート部の生徒に、「ディベートの真髄は、徹底的に相手をやっつけることではなく、同じ土俵で議論を戦わせることだ」と聞きました。海外でディベートを行う時は、それがより重要になると思います。意見の伝え方・受け止め方にも文化差があり、ディベートをする時はそういったことも頭に入れて、冷静に戦う必要があります。ディベートだけでなく、今回のソウルラウンド全体で、多くの人の意見や考えを聞き、こちらの考えを伝える経験がたくさんできたと思います。それは、さらに彼らの視野を広げることにつながることでしょう。積極的にいろんなことに挑戦し、その経験から多くのことを学び、それらを次につなげることは、開智生の得意とするところです。ファイナルラウンドは11月に開催されます。そこで思いっきり、実力を発揮し、さらなる進化を遂げてほしいと思います。高校生のうちに、このような場で世界中の高校生と交流し、議論する機会は、そうそうあるものではありません。アメリカでの経験をインタビューするのが今から楽しみです。