イタリア留学(校長ブログ77)
イタリアに留学していた6年生の松本沙也さんが、様々な経験をして帰国、復学したので、さっそくインタビューしました。
~~留学のきっかけは?~~
3歳のころに我が家にドイツ人学生がホームステイしていたことがあったのですが、その時の資料を偶然目にして、自分も留学してみようかなと興味を持ったのがきっかけです。イタリア人の先生にピアノを習っていることもあり、先生が時々使うイタリア語を理解できるようになりたいと思って、留学先をイタリアにしました。英語圏以外の国への留学に興味がありました。
~~留学の背中を押したものは?~~
自分で行こうと決めたのですが、時期が近づくにつれて、だんだん不安になってしまいました。でも親が励ましてくれたこと、友人がお別れ会を開いてくれて、もう後には引けなくなってしまったことで、覚悟を決めました。
~~大変だったことは?~~
私は文系なのになぜか理系の学校に割り当てられてしまいました。数学は比較的簡単でしたが、物理はやっぱり無理でした。イタリア語スキル0の状態で留学したので、言葉には苦労しました。初期の頃は、スマホの翻訳機能に頼りきりでした。5ヶ月くらいかかりましたが、何とかついていけるくらいにはなりました。食事をとる時間帯や量が日本とだいぶ異なるので、これも大変でした。
~~楽しかったことは?~~
ホームステイ先とはいろいろありましたが、それ以外はすべて楽しかったです。その学校では日本人は珍しいらしく、いろんな人が声をかけてくれました。先生たちもとてもフレンドリーで、多くの生徒に自分を紹介してくれました。イタリア人が持っている日本のイメージは、「マンガ、アニメ、寿司」みたいです。「日本人は毎日寿司を食べているのか」とよく尋ねられました。イタリア人の友達がたくさんでき、今もつながっています。
~~現地の生活になじむための工夫は?~~
その日にあったことを、イタリア語でノートに書き、下校時にそれを見ながら友人と話すこと、毎日イタリア語で日記を書くことを、日課にしました。最初のうちは英語でコミュニケーションすることに頼ってしまっていたのですが、英語ができない人と積極的に話すようにもしました。
~~イタリア人のものの見方、感じ方について~~
イタリアは電車が遅れることが多く、ほぼ毎日遅れています。毎朝15分電車が遅れてきて私はいつもハラハラしていましたが、友達や他の乗客は文句も言わず気にもかけていないようで驚きました。学校帰りに土曜日はよく電車が遅れるんですけど(1時間とか)、みんな駅の近くのレストランやBarで食事をとったりお喋りをしています。私はこの様子を見て、彼らは目先のことにイライラせず自分たちの時間を楽しんでいるなと思いました。
~~留学を考えている人へ~~
コロナの関係で、私は高2からの留学となってしまいましたが、できれば高1からの方がいいかなと思います。高3で帰国するのは、大学受験という点で大変なので。留学は、自分でどうにかしなければならないことが多く、自立心が養われます。異文化にふれることで、ものの見方、考え方も広がり、精神的に成長できます。高校生のうちが語学習得には有利だし、世界に友達がいると、旅行したときに会えることができて、楽しいです。
~~将来のことについて~~
大学に入ってからも、また留学してみたいです。次はイタリア以外。将来は、ピアニストか、ピアノ関係の仕事につきたいです。ピアニストとして、イタリアの舞台にも立ってみたいです。
~~最後に一言~~
今回の留学で、つらいことがあっても、何とか乗り越えられたということが、私の心の支えになっています。また、多くの人に支えられたことで、人の縁というものを感じました。今後の人生に生かしたいです。
まさに外へ、未来へ、自分の人生を切り拓いていった体験談に、私も大いに刺激を受けました。また、イタリア語習得のために、毎日イタリア語で日記を書いていたことや、あえて英語を話せない人に積極的に話しかけていたなど、地道で懸命な努力をしていたことにも感動しました。きっと、これからの人生のいろいろな場面で、今回の経験が生きることでしょう。今後の活躍に期待します。